タワーマンションの欠点とドローン配送

2019.10.18 / コラム

首都圏の住みたい街で9位にランキングしているのが、川崎市・武蔵小杉のタワーマンションだ。多摩川沿いで住みやすい環境だったが、窪地だったために台風19号で一帯は冠水し一部のマンションでは停電と断水でマンションから避難する人が後を絶たないというニュースが流れた。

武蔵小杉のタワーマンションの30階にホールオーナーの娘さん夫婦が住んでいる。物件はオーナーの名義だが、結婚のプレゼントにマンションをもらったようなものだ。

この停電と断水被害に娘さん夫婦も直面している。エレベーターが使えないので、30階まで食料品や水を買って持って帰るのも大仕事となっていた。途中で4回は休憩しないと登り切れない。

それ以上に大変なことは、トイレが使えないこと。トイレのたびに下まで降りて行かなければならない。高層階の人ほど買い物とトイレに苦労している。

停電により文明の利器を失ったタワーマンションは苦痛以外の何物でもない。

大地震が起こっても免震構造でタワーマンションは安全ということで、タワーマンションを選択したが、今頃になって「なぜ、一戸建てにしなかったか」と後悔もしている。一戸建てでは泥棒に入られたことも考え、セキュリティーがしっかりしているタワーマンションを選択した。

今は実家に避難して、売却することしか頭にない。不動産屋に相談に行ったが、売却希望の住民が多く、8000万円で買った物件がどこまで下がるかも予想もつかない状況だ。

今回の停電被害があったことを娘さんが職場で話しことから、実家がホールであることが明らかになった。

「30階までモノを運ぶのが本当に大変。ドローンで一気に運んで欲しい」という話をホールオーナーである父親に伝えると、すでにドローンによる新規事業を計画中だ、という。

社員2名をドローン専門のスクールに入れ、操縦方法などを学ばせている。ドローンによる輸送を新規事業として考えている。

ドローン配送といえば、Amazonが実証実験から商用化を発表している。日本でも楽天や日本郵政が取り組みを開始している。

今回のような災害時に上までモノを運べるようになれば、被災者は助かる。

それ以外にもタクシー会社を興すことも検討している。

高齢者の自動車事故の増加で、免許返納が増える傾向にある。つまり、生活の足を失う高齢者に対して福祉タクシーの需要が見込める、という判断である。

オーナー曰く「パチンコに設備投資する時代ではない」。今は無駄遣いも止めて新規事業の方に投資する準備を着々と進めている。








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