ショッピングモールから出店要請がくるぐらいイメージアップを図れ

2020.01.08 / コラム

大阪の堺シーサイドステージは映画館、ボーリング場、ゲームセンター、天然温泉、飲食店にパチンコホールもある商業施設だ。今どきのショッピングモールに比べると規模は小さい部類に入る。パチンコ店に照らし合わせると2000台規模をショッピングモールとすれば、当該施設は100台未満の小型店舗といえば分かりやすい。

2006年3月に開業。元々は新日鉄堺製鉄所が事業縮小に伴う遊休地利用のために開発されたもので、集客力のあるパチンコがテントの目玉でもあった。少なくとも13年前は商業施設のテナントにパチンコホールにも声が掛かっていた。

そんな時代も今は昔。かつてはホール単独で集客が見込め、シャワー効果を狙ってキーテナントの役割をパチンコホールが担っていたが、今はその逆になっている。

広告・イベント規制で集客が難しくなった昨今、大型ショッピングモールへテナント出店を打診しているホール企業もあるようだ。ホール単独で集客が難しいのであれば、人が集まるところに出店したい、と考えるのは自然な流れだ。

新陳代謝が激しいモールは、売り上げが上がらないと店舗は撤退も余儀なくされる。20年間は撤退しないなどの条件をホール側から提示しているが、モール側からの色よい返事はない。

モール側は「ショッピングモールのブランド力が落ちる風俗営業はいらない」というのが本音のようだ。

禁煙が当たり前の時代に、遊技客は喫煙率が一般よりも高い、という理由で完全禁煙に踏み切れないホールが大半。これで新規客の開拓などできるはずもない。

サラリーマンの給料は何年も上がっていないのに、等価を続ける。等価じゃなければ客が競合店に取られる、という心理か。脱等価といっても11割分岐営業では等価と大して変わらない。昔々は4パチを1000円でも遊べたのに、これも新規客の開拓を妨げる要素だ。

時代は刻々と変化している。

保育園の子供の声がうるさい、と近隣から苦情が来る時代である。ショッピングモール建設でも周辺の商店からは反対される。モールですべて完結するので、周辺の商店におカネが落ちないからだ。だからアウトレットモールなどは人里離れた場所に作ることになるが、今度は周辺の交通渋滞を引き起こす問題まで生まれる。モール側は渋滞が起こらない動線作りに心血を注ぐ。

パチンコのイメージは90年代まではゴールデンタイムにパチンコ特番が各局から放送されていたので、良かった時代といえるが、その後はどんどん悪くなる一方である。

数年前、大手ホールが利益なしでもいいから東急ハンズの商品を景品として扱いたいと申し出たことがあるが、断られている。パチンコ業界のイメージが良ければ断られることもなかった一例である。

パチンコのイメージは1社の努力では変えることはできない。

ショッピングモールからテナント要請の声が掛かるぐらいに、業界全体でパチンコのイメージアップを図らなければ、新規客が増えることもない。









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