シニア層へ伝える力

2019.09.04 / コラム

パチンココーナーを支えているのは今やシニア層と言っても過言ではない。シニア層を動かすには伝え方がある。

超実践セミナーより抜粋
フリコユラス 吉田真晃代表取締役

行きつけの定食屋に行っている中年サラリーマンの話から。

会社から近いという理由で昼飯は同じ定食屋を利用している。週の半分以上はこの店で決まったメニューを注文していた。ランチタイムでも満席になることはなかった。

ある日行くと満席に近い状態で、いつもの席には着けなかった。違う席に着いて謎が解けた。おかず一品無料セールの張り紙を見つけ、これが原因で客がいつもより多いことが分かった。

中年サラリーマンがいつも頼んでいるポテトサラダが無料になるのか、と思ったが、なのにテンションも上がらず、喜んでいない。

得しているのに喜んでいない心理は、パチンコのシニア客の心理が分かれば何となく分かる。

10月に納入される海物語JAPAN2は設定がないことはポジティブに捉えている業界人が少なくない。3個賞球もネガティブに捉えていない。われわれがポジティブだと思っているスペック=設定なし、3個賞球は、シニア層もポジティブに捉えているかと言えば答えはNO。

海の新台が入る時にカウンタートークで一番多いのが「自分が打っている海はなくならないよね」。この言葉にすべてが集約されている。

シニア層は変化を好まない。できたら今の海でいい。従って新しい海の情報も取りに行かない。新しい情報を取りに行くぐらいなら新しい台を打っている。そういうシニア層に伝える媒体がポスターやメールではおかしい。

でも、伝えないと定食屋の中年サラリーマンのような心理になる。

シニア層に伝えるには一人ひとり口コミで話していくのが一番だと思う。

口コミを使った成功事例ではリニューアルの時に総付け景品を配った。この時、店長が出張先で買ったお土産をどうぞ、と言って渡した。

お土産は親密な関係にならないともらわないもので、その時お客さんの方から「ありがとう」と言われた。親しい間柄になると「オレはあそこの店長を知っている」と自慢したくなる。

親しい間柄の人間関係を作ると大きい。

人間関係ができると総付け景品を配る時に「今度増台した新台は頑張って使っていきますので、よろしくお願いします」と一言付け加えた。

すると増台したコーナーの稼働が上がって行った。

ありがとうと言われる親しい間柄を作ってから新台のことも口コミで宣伝すると効果が上がった成功例である。

シニア層に何か伝える時は口コミに感情を加えること。スペックの話より、「こうこうこうで楽しいから1回遊んでみてください」と。

シニア層が車を乗り換える時も性能よりも、信頼する営業マンが勧める車を「君がいうならそうする」と言って買うのと同じこと。








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