コロナが怖いのでホールの入社を辞退

2020.03.19 / コラム

コロナショックは今春、新社会人になる人たちにも内定取り消しという形で影響を及ぼしている。観光産業を中心に関連産業は軒並み客足が激減している。特に中国人観光客を主軸に置いていた会社は、客足が戻るメドも立たず存続の危機を迎えている。さらに大規模イベントの自粛が長引けば、自粛ムードはあらゆる方面に広がる。

今年高校を卒業して新社会人になるA君(19)は、運送業界の内定を取り消された一人だ。ホールの常連客の息子さんで、父親がホールで雇ってもらえないかと店長に相談した。

ホール側は「常連客の親族は採用しない」という基準があったのでホールは採用を断った。その話が別ホールへ回ったが、そのホールは一浪して高校へ入学していた、という理由で断った。

例年、3月は大学生のアルバイトが卒業するので、アルバイトが手薄になる時期である。4月に新入生が入ってくるまでの間、アルバイト不足でしんどい時期でもある。ただ、今年はコロナの影響で2月早々にバイトを切り上げた大学生がいた。

コロナショックまで就職戦線は空前の売り手市場だったが、これから経済がどこまで冷え込むのか予断を許さない中、長期化すれば企業の採用もリーマンショック並みに手控えられることも予想される。

リーマンショックの時、雇用の受け皿となったのがパチンコホールだった。求人費をかけてもなかなか人が採れなかったが、ホールの店頭の募集ポスターで応募してくるケースもあった。中には人が集まりすぎて時給を下げて再募集するようなホールもあったほど、人が採れた。

今回もコロナショックを人材確保のチャンスと見るホール企業もある。

リーマンショックを上回る可能性もあるコロナショックだが、12年も経てばパチンコ業界の状況もだいぶ変わってきた。まず、12年前よりも稼働、粗利は下がっている。新基準機のショボい出玉性能は特にスロットの方で顕著に表れ、スロットを減台しようとする動きもある。新基準機に入れ替えることもなく2021年1月までに閉店するホールも増えることだろう。

ホールは再び雇用の受け皿となるのか?

新宿のホールは24歳の男性を中途採用することになっていたが「コロナの感染が怖い」という理由で入社を断ってきた。

ホールは密閉空間でもなければ、空気が淀んでいることもない。屋内施設では1時間当たり10~15杯分も空気を入れ替えている優秀な施設だ。昔のように高稼働ではないので、人と人が密集しているわけでもない。

業界に就職する人のためにもホールの空気環境は商業施設の中では随一であることをアピールすると共に、その辺の誤解も解かなければいけない。







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