クリスマスイブに起こったコスプレパワハラ

2019.12.28 / コラム

ハロウィンやクリスマスシーズンになるとスタッフがコスプレをしてお客さんを楽しませるホールが少なくない。普段とは違うコスチュームを身に纏うだけで、一時的にせよ日常の“自分”から離れ、 非日常の“自分”に転じることができる、などと言われている。

ここにハロウィンコスプレしたホールでアルバイトを対象にしたアンケート調査資料がある。

Q1 今回の衣装はどうでしたか?

・可愛い衣装があったので、良かったです。
・ちょっと恥ずかしかったですが、こんな衣装を着ることがないので、楽しめました。
・男性スタッフの衣装が囚人服しかなかったのが、ちょっと残念。

Q2 ハロウィン衣装を着ての作業はどうでしたか?

・普段の制服と違い新鮮さが出て良かったです。
・かわいい衣装でテンションが上がり、業務も楽しめました。
・衣装によっては、業務に支障が出る衣装がありました。

Q3 お客様の反応は?

・たくさんのお客様に、「可愛いね」と言われました。
・普段、話をしたことがないお客様から声を掛けられ、話すようになりました。
・開催3日目から、お客様も見慣れた感じで、反応がありませんでした。

Q4 次回の要望があれば

・衣装をもっと増やしてほしい。
・もう少し露出を控えた衣装がいいです。
・誰がどの衣装を着るのかをもっと話し合った方がいいと思います。

コスプレはスタッフのテンションが上がると共に、お客さんから声を掛けられてコミュニケーションが取れるなどのメリットがあることが分かる。

コスプレイベントはスタッフなら誰でも気軽に応じてくれるわけではない、というケースが都内のホールで発生した。

それはクリスマスコスプレでひと悶着あった。

契約社員の女性(28)はこのホールに勤務して1年弱。クリスマスを迎えるのは初めてだった。

コスプレの衣装はサンタ帽に赤いマントを着ける程度のものだった。

店長は「今日はクリスマスイブなのでサンタコスプレをします。お客様も喜ぶし、この衣装を着けてもらえませんか?」とお願いしたが、彼女は「着たくありません」と拒否した。

性格は真面目で冗談が通じないタイプだった。

「強制されることはしたくありません。労働規約にもコスプレのことは書かれていません。書かれていたら入社しませんでした。これはパワハラです。今の会話は録音しています」と騒ぎ始めた。

この間のやり取りを彼女は胸ポケットに忍ばせていたスマホで録音していた。

そして、そのままシフトに入らないで帰ってしまった。

これに慌てたのが店長だ。自分では圧力をかけるほど強く言ったつもりはなかった。断固パワハラではない、と主張する。

コスプレ大会はスタッフのチームワークのノリでやってしまうこともあるが、拒否すると仲間から浮いてしまう。

同ホールの50代の女性社員はコスプレが大好きだが「その人の気持ちを理解してあげることが大事」という立場を取る。

皆が皆、コスプレが好きなわけではない。コスプレパワハラという問題が起きないようにしなければならない。






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