エース級店長が転職失敗。何が起きた!?/パック・エックス

2016.08.22 / 連載

[連載第21回
パック・エックスキャリアアドバイザーが語る「転職のタメになる話」
「強みと弱みを明確にする」という教訓

こんにちは。パック・エックス、キャリアアドバイザーの耳塚です。今週も転職のためになる話しをしていきたいと思います。

今回は私、耳塚の中で教訓となっている事例、大手法人出身ハヤシさん(仮名)の転職事例をお話ししたいと思います。

大手法人出身のハヤシさんは当時34歳。「現場から人事に異動して1年。自分としては現場営業に戻りたいと考えている」「現法人ではなかなか難しいので転職も視野に入れている」という相談内容でした。部署異動前の経歴を見ると、その法人の基幹店や新規店を店長として主に管理された経験と素晴らしい数値実績で、まさに「エース店長」と呼ぶにふさわしい経歴内容でした。

ハヤシさんが管理していた店舗はどこも高稼働で有名でした。偵察に来る法人も多かったのです。個人的にも集客の秘けつを知りたいと思い、いろいろと質問した記憶があります。すべてを語ってはいただけませんでしたが、その理論や発想は「さすが!」と唸るものばかりでした。

「この人はどの法人も放っておかないだろうな」とすぐに案内を進めたわけですが、思った通り引っ張りダコとなりました。各書類に示された数値に対し半信半疑だったオーナー陣も、彼の理論や発想、数値根拠や取り組み事例を実際に聞き「これは本物だ」と破格提示のオンパレード。野球でいえば走・攻・守揃った名選手というのが各法人からのハヤシさんの評価です。ご本人も自信に満ち溢れていましたが、何より自分をPRすることがとてもうまかったのです。とにかく弁が立つのです。

結局、一番厚待遇を提示した、首都圏へ新規出店が控えていた中小企業への入社を選択。新規店の店長として配置となりましたが、ポストとしては営業課長という店長よりも上のポストでの入社。私もハヤシさんを採用したオーナーも「彼ならきっと活躍するだろう」と疑う余地はまったくありませんでした。

が、ふたを開けてみれば期待値を大きく下回る結果に……。

ハヤシさんは目標とした業績をあげることができずにいたばかりか、現場スタッフから反感をくらい本部にクレームが入るなど問題が多発。発想力に富み理論に明るいが、基本である現場指揮・各整備コントロールが不得手だったのです。信頼関係はなかなか構築できず、スタッフからの不満は募る一方で、ハヤシさん自身も塞ぎがちになってしまった。どんなに素晴らしいアイデアや発想も、現場で実現・実践できなければそれは絵に描いた餅でしかありません。現場復帰を希望しての転職でしたが、「現場は困難」と判断され、結局、本部管理へ異動となってしまいました。

何のための転職だったのか? この一件は苦い経験であると同時に教訓です。

「自分をどれだけ高く評価してもらうか」。

高い評価を得るためストロングポイントをPRするのはとても大切なことです。そして、同時にウィークポイントも自覚し、それを克服するのかそれともストロングポイントをよりいっそう伸ばすのか。今後の道筋を立てることが、転職にはもっとも重要となります。「入社してからがスタート」になるので、入社後の自分をよりイメージして活動されることをオススメします。

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(企業プロフィール)
株式会社パック・エックスhttp://www.pac-ex.com/

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