【連載】第5回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2014.05.28 / 連載

そこまでするんですかね

先日、知り合いの業者とお茶をしていたんです。それで色々なホールの話をあれこれとしていたら、「あそこでパチスロを朝から打っちゃダメですよ」 なんて流れに。どうせ全台設定1だから朝から打つと爆死するってことだろうなと思ったら、そうじゃない。そいついわく、閉店後に新台の設置をして いたら隣の島から「左から押してください」という機械の音が鳴り響いていたとのこと。なるほど、ペナルティを仕込んでいるんですね。これで朝イチ は、ARTやATの無抽選状態に。数回ペナルティを仕込んでおけば、かなりの利益が期待できることでしょう。

っていう話をあるパチスロ攻略誌編集部でしたら「それなら、あそこの店もそうですよ。朝イチ、全台にペナルティ中っていう表示が出てましたから」 とのこと。ペナルティを仕込むなら、せめてバレない機械でやって欲しと思いますが、客にバレバレでもやるという根性は呆れるほどで、逆に天晴れとしかいえません。

確かに今のパチスロは利益が取りにくいなんて聞くし、そこまでやらなければならないほど追い込まれているという点については理解できます。できま すけど、そういう行為は全く擁護する気になりません。思えば4号機時代のストック機で、ラムクリしてストックを飛ばすなんていうことも当たり前の ように行っていたのが、ホールというもの。当店はストックを飛ばしませんなんて貼紙を自慢げに出していたところもありましたが、それが当たり前。 だってストックがあることが、スペック上の大前提なんだから。

ペナルティも同様で、これは不正行為以外の何物でもないなと思います。全台設定1でも、それはホールの営業方法だからなにも文句をつけるつもりは ありません。でもペナルティを仕込んで設定1の性能をも発揮できないようにしているっていうのは、厳しく糾弾されるべき。そんなホールが空イベン トで煽っていたり、店員が作り笑顔でいらっしゃいませなんていうのを見ると、虚しささえ感じます。少なくとも、筆者はこういったホールでは絶対に 打たないし、大人なんで誌面で実名を披露したりもしません(したいけど)。でも悪評は口コミで自然と広がるもんなんですよ。思えば、ストック消し を目撃したホールはいつのまにか閉店してしまいました。ペナルティを仕込んでいたホールは地場の比較的大いチェーンですが、同様の運命になるのか もしれません。目先の利益を求めて信用をなくすなんていうのは、愚の骨頂だと思うんですけどね。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの魅力に取り付かれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

ライター, 喜納臭蔵