【連載】日本進出を狙う海外カジノ〜その6〜

2014.08.19 / カジノ

【第6回】ギャラクシー・エンターテイメント

香港に拠点を置くギャラクシー・エンターテイメントは、2002年にマカオのカジノライセンスが開放された際に新たにカジノ事業に参入した。同社の会長・呂志和(ルイ・ジウォ)はもともと建設用資材のビジネスを行っていたが、1980年代からホテル開発事業に参入、レジャー・娯楽産業の道を歩み始めたという。マカオでカジノライセンスを得て以降、2004年に「ワルド」、2006年に「スターワールド」をマカオ半島部に建設。2011年5月には、コタイ地区に約2600億円を投じて「ギャラクシー・マカオ」を開業した。「ギャラクシー・マカオ」は、合計客室数2,200室を持つ3つのホテルや600台以上のテーブル、約1,200のマシンゲームを有するカジノを備える同社のフラッグシップリゾート。現在、2000億円以上を追加投資して第2期工事を進めている。JWマリオットやリッツカールトンといった高級ホテルを追加して、2015年に第2期開業を行う予定だ。マカオにおける同社のカジノ収入は好調を維持しており、市場シェアもSJM、サンズに続く3番目(約20%)。マカオのカジノ産業の成長とともに同社の時価総額も急上昇し、株式の65%を保有する呂会長の資産は今年1月半ばにアジアで最大となり、アジアナンバーワンの億万長者になった(ブルームバーグ長者番付より/14年8月時点では3位に後退)。

しかしながら、中国の景気後退や中国中央政府による腐敗撲滅運動の強化により、マカオのカジノ産業の成長に若干減速。同社にとっても海外展開は、成長への選択肢のひとつで日本進出へ関心を示すコメントが報じられたこともある。昨年11月には、呂会長の長男で副会長を務めるフランシス・ルイがメディアのインタビューに対し「日本と台湾がカジノを解禁するのであれば、それぞれに200億香港ドル(約2,600億円)以上を投資する準備がある」と述べており、進出意欲と資金力に自信を見せるコメントを残している。

■主な運営施設
 [マカオ]ギャラクシー・マカオ/スターワールド/ワルド など
■売上規模(2013年)/660億3250万香港ドル(約8731億円)
■営業利益(2013年)/100億5490万米ドル(約1330億円)
■従業員数/約16,000人

※写真は「ギャラクシー・マカオ」と第2期工事の完成模型、ギャラクシー・エンターテイメント10周年記念式典の様子

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