【水曜】第90回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2016.01.19 / 連載

第90回 今こそチューリップですよ

今月中には撤去対象機のリストが出るとの話もありますが、依然としてどういう絵図になっているのか明確になっていない状況です。それでも昨年末には、きっと業界が最も恐れていたであろう一般紙にも違法機の問題が報道され、広く世間に認知されることになってしまったわけで、行政いわく「可及的速やかに」決着をつけなければなりません。

以前も書きましたが、新機種のなかには一般入賞口付近のゲージがこれまでとは明らかに変わっているものもあり(変わっていないものもあり、今後のことを考えると若干疑問を感じますけど…)、4月からの対応機を待たずに入れ替え待ったなしという状況にあります。ただいくらゲージを改善したところで、ホール側の使い方次第ではなんとでもなってしまう可能性も大。実際、昨年6月から一般入賞口に入るようになったと思っていたら、年末年始の回収時期には思いっきり閉めているホールも散見されました。

そこで筆者が足りない頭で考えた、一般入賞問題の切り札になると思うのがチューリップです。CR機が登場する前、いわゆる連チャン機時代までさかのぼりますが、かつてのデジパチには盤面の左右にチューリップがあるというのが基本でした。入賞すれば開放し、もう1回の入賞が期待できると改めて説明するまでもありませんが、チューリップはパチンコ市場における画期的な発明であると同時に、間寛平氏の大ヒット曲でも知られるようにパチンコを象徴するものでもありました。むろん現在の一般入賞口と同様に、当時でもデジパチのチューリップはオマケ的に搭載されているものでしたが、 それでも適度に入賞してベースを上げるのになくてはならないものだったと記憶しています。また1回開けば、やはり閉じた状態で止めなければ損をした感が強く、無駄に追加投資をしがちになったもの。結果、いくばくかは稼働にも貢献していたのではないかなと。

現在のような液晶や役物が巨大化した盤面では、チューリップを設置するような場所はないかとも思いますが、それでもただゲージを変えるだけではなく、一般入賞口をしっかりとアピールできるのは間違いないはず。まんまチューリップじゃなくても、構造的に色々と替えて特図以外にゲーム性のアクセントとして、そしてベースアップにつながるものがきっとメーカーさんなら考えられるはず。困ったときこそ先人の知恵に学ぶべきですし、こんな時だからこそ新時代のチューリップが登場することに期待したいものです。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)

学生時代にパチ ンコ・ パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと (やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレ ス:kusazo@yahoo.co.jp

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