【水曜】第101回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2016.04.05 / 連載

第101回 まずは「好き」になることから

この季節、電車に乗ったり街を歩いていると、明らかにスーツを着慣れていなそうなフレッシュマン(死語ですか?)をあちらこちらで目にしま す。筆者にもそういう時代が30年ほど前にありましたが、果たして彼ら彼女らは希望に満ちているんでしょうか。筆者はといえば、就職は単に上京するためだけの口実であったため長続きすることはなく数年で浮き草稼業になりましたが、それはそれで悪くはなかったかなと。

ところでホール企業にも多くのフレッシュマンが入ったことかと思いますが、まず疑問に思うのは、果たして自らが希望して入社したのかということ。もちろんエントリーして入社試験を受けて入っているんだから希望しているのには違いはないはずですが、給料が良いとか規模が大きいとか、それともそこしか合格したところがなかったとか、ほかに入れなかったからだけではない理由があるのかどうか。その理由とはやはり「好き」であって欲しいですし、基本的に仕事なんて好きだからやってみたいというのが原点ではないかなと考えます。そして個人的にはホール企業に入る人はパチンコ・パチスロが好きであって欲しいなと思いますし、長らく業界で働いている人に話を聞くと、やっぱり今でもファンである人が多いですから。

ホールの場合、企業として利益を追求するのはファンのニーズと逆方向であり、それなら新卒でイチからオペレーター側の人間として教え込んでいくのも良いのかもしれません。でも同じ利益を確保するのでも、ファン目線で考えるのと、マニュアル通りにやるのでは絶対に違いが出るはず。実際、これまで多くの店長さんにお会いしてきましたが、良い店を作っているなと感じるところはほとんどの場合は店長さんが現役ユーザーでした。若年層のパチンコ・パチスロファンが減っているなか、新入社員のすべてがパチンコ・パチスロを「好き」であるとは限らないはず。だからこそ、色々な教育や研修を行うと思いますが、まずは「好き」になってもらうことから始めてみてはいかがでしょうか。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)

学生時代にパチンコ・ パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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