【水曜】第89回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2016.01.13 / 連載

第89回 どう説明するのか

年明け早々、京都へ出張してまいりました。ついでに観光もなんて思いましたが残念ながらそんな時間はなく、平安神宮にお参りしたくらい。それでも京都に行ったら必ず行く場所、京都駅から歩いてすぐのラーメン屋へ。新福菜館と第一旭という京都ラーメンの老舗が隣接しており、いつもなら空いている方で食べるんですが、昨年に新福菜館が秋葉原にオープンしたということで今回は第一旭一択です。しかしいつになく行列が長くて、店内に入るまでに20分ほど並ぶことにしたんですが、どうも行列の様子がこれまでとは違う。そう、並んでいる半数くらいの人が、日本語をしゃべっていないんですね。

さすが観光地京都、中国か香港か台湾かはわかりませんが、そちら系の方が日本のソウルフード、ラーメンを食べようと並んでいらっしゃいます。観光で京都といえば、天麩羅に寿司、そしていかにもな京料理というのが定番だと思いますが、ラーメンを食べるとは通ですね。しかしふと、並んでいる人が読んでいたガイドブックを覗き見たら、しっかり京都名物的にラーメン屋も記載されておりました。そうそう、庶民の文化に触れるのも観光の大きな目的だし、そう考えるとパチンコ屋に行く観光客も少なくないはず。

実際、京都のホールの方に話を聞いたら、そういう観光客の方もたまにいるそうで、そこで苦労するのが運良く出た場合の処置だそうです。一般景品に交換するならまだしも、やはりある程度の出玉があれば最終的に換金ということになるんですが、それをどうやって説明するのか。「特殊景品に換えて、外にある小屋に行けば現金になりますよ」なんて遵法営業をしていたらとても言えるものじゃありません。観光客向けのパチンコガイドにも、最終的にプライズに交換できますよと書いてあるだけで「換金」できることには触れられていませんし、できるはずもないでしょう。せっかく観光客に爆買いならぬ「爆打ち」してもらおうにも、現在のパチンコの根幹である部分がグレーのままでは、機会損失になるばかりというのが現実です。

筆者はグレーはグレーのままで良いと考えていますし、グレーじゃなくて色々とブラックだった時代のパチンコが大好きだったりしますが、グレーだった検査くぎと営業くぎの違いが明確に違法と指摘された以上、今後は換金だってグレーのままいくのは難しいのではないかと考えます。合法化する代わりにパチンコ税をなんていう新たな利権の話も聞こえてきますが、くぎ問題に続いて今年は根幹である換金にも話が進んでくる可能性だってあるのかなと。そもそも根幹の部分が明確に説明できない状態のまま、ここまで業界が肥大化しちゃったのかおかしな話なんですけどね。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・ パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと (やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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