【水曜】第51回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点

2015.04.22 / 連載

第51回 当たらない三角くじで感謝といわれても

都遊協主催のファン感謝デーが、先週末に開催されました。秋の、全日遊連が主催するファン感謝デーとあわせて都内ホールでは毎年2回開催されると いうことになりますが、もはやホールにとってはルーティンワークになっている感は否めないのかなと。賞品を購入して、ポスターを掲示して、三角く じを配ってと、毎年毎年同じことを繰り返すのみ。これはファンにとっても同じで、どうせ当たらない三角くじを、それでも一抹の期待を持って引い て、やっぱり外れる。ファン感謝デーといっても良く回るようになるわけでも、設定が入るわけでもなく、毎年のように「感謝してるんなら出してくれ よ」と思わされるだけ。広告宣伝規制があるなか、ファン感謝デーは半ば公認イベント的に開催できるんだから、もっと上手いことやればいいのになと 思うんですよ。

とりあえず現在のファンに感謝の気持ちがないんだくらいは邪推できますが、せっかく大々的に告知できるんだから、もっと新規ファンを呼び込めるくらいの目的意識を持つべきじゃないかと。店内に足を踏み入れてくれるくらいの策は、優秀であるであろう大手広告代理店さんに頼めばいくつか提示してくれることでしょう。ただ、そこで店内に入った見込み客がパチンコ・パチスロを好きになるかどうかは、正直いって疑問ですけどね。当たらない機械、回らない台ばかりじゃ、リピーターになってくれるはずもありませんから。かつてはビギナーズラックなんて言葉がありまして、それでファンに なった人も少なからずいるはず。でも今の状況では、ビギナーズラックさえ期待できませんよ。

業界側がファンを増やそうと色々と頑張っているのは、筆者としても承知しております。でも目先をいくら変えたところで、ましてやいくら「手軽に遊 べる」とPRしたところで、現実はどうなのか。本来あるべき大衆娯楽に立ち返らない限り、ファンが増えることはないと思いますし、このまま減り続 けることは間違いありません。どこまでが大衆娯楽で、どこからがギャンブルなのか。その線引きは難しいと思いますが、少なくとも今の状況を大衆娯 楽だと自信を持って言える業界関係者がいるのかどうか。そこをしっかり見極めることが、何よりも大事だと思います。

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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵

学生時代にパチンコ・パチスロの 魅力に 取り付かれて、はや30年以 上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるず ると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続 中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp

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