「パールショップともえ町田609」の組合員資格停止を決議/都遊協

2020.11.30 / 組合・行政

11月26日、東京都遊技業協同組合(都遊協)の定例理事会において、「パールショップともえ町田609」の組合員資格の停止が決議された。

これは全日本遊技事業協同組合連合会(全日遊連)もしくは「パチンコ・パチスロ産業21世紀会」(21世紀会)の決議された事項について履行せず、組合活動に支障をきたし、またはきたすおそれのある行為を行った場合に組合員の資格を停止するという都遊協の定款に沿った決定である。

「パールショップともえ町田609」の場合は、旧規則機の撤去に関する21世紀会の決議に対し、誓約書を提出せず、また21世紀会決議においては撤去対象となっている高射幸性回胴式遊技機を、期限を超えて設置営業していたことが組合員資格停止の事由となった。
組合員資格の執行期間は60日間。同期間、当該ホールには都遊協からの通知や連絡が届かなくなるほか、ファン感謝デーなど組合が関わる活動についても参加できなくなる。

同店の組合員資格停止は全会一致で決議された。今後、組合員資格停止に関わる処分内容については、業界関係団体や警察行政へ通報される見通しになっている。


都遊協の組合員資格停止処分にはどのような意義があるのか?

パチンコ・パチスロ産業21世紀会を構成する業界団体が一丸となって強力に推進する旧規則機の撤去問題。
ホール4団体では「誓約書確認機関」による通報・確認システムを立ち上げ、21世紀会の誓約書が定める撤去期限を全国のホールが順守するよう働きかけている。

また中古機流通協議会では21世紀会誓約書の未提出ホールや、誓約違反が認められたホールに対し、中古遊技機移動に際して必要な確認証紙の発給を停止する意を表明している。また組合・団体の枠組みを超え、遊技機メーカー数社も新台販売や部品供給に不都合が生じる可能性がある旨の声明を発出していたりもする。

この度の、都遊協による誓約違反ホールに対する組合員資格停止処分も、そのような業界全体の動きとの動きと連動している。


組合員資格の停止が果たして有効性ある「ペナルティー」になるのか?

ホールの現場からはそのような声も聞こえる。
コロナ禍により営業は逼迫し、お客さまもまだホールに戻ってきておらず、今後も戻ってこないかもしれない。そのような状況下でも、21世紀会の誓約書を提出し、その誓約通り期限内に撤去しているホールが大多数なのである。
誓約を守って旧規則機を撤去したホール現場の関係者であるなら、誓約書も提出せず、旧規則機撤去の素振りも見せないホールに対し複雑な感情を抱えるのは当たり前のことなのかもしれない。

例え旧規則機の継続設置が国家公安委員会規則に反することがないにしても、多くの業界関係者は、撤去期限にギャップが生じている理由を承知しているし、もちろん同店も理解していると思っているからだ。

都遊協からの通知や連絡が遮断されても、他県の系列店が情報のチャンネルとして残り続けるし、仮にファン感ができないにしても、営業にそれほど大きな影響があるわけではない。

しかし、と業界団体関係者は言う。旧規則機撤去に関わる一連の活動の中で、目に見える形で処分が行われた初めてのケースである。処分に関してはあくまで都遊協の定款に沿って粛々と行われたたものであるが、視点を変えてみれば、21世紀会の誓約内容を順守しないホールへの、周知を前提としたペナルティーとも言える。

ホール4団体誓約書確認機関が実施する通報・確認システムや、中古機流通協議会も明らかに誓約書の内容に反するホールに対してまだペナルティーを課してはいない。「ペナルティー」はあくまでシグナルであり、それを強く意識させることで業界内の統制を図ろうとしているのか、それとも今後、本当にペナルティーが発動するのか。独禁法など、法的にも複雑な問題もあり、旧規則機の撤去に関する業界動静は予断を許さない。

そのような状況下において、都遊協が下した断は、処分の中身云々ではなく、「処分した」それ自体に意義があるのではないか。

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