【水曜】第102回パチンコ雑誌ライター喜納臭蔵の視点
2016.04.12 / 連載第102回 駅前商店街にもっと元気を
某J2リーグのチームを応援しており、ホームの試合だけではなく予算と時間が許す限り遠征(アウェーですね)にも行くようにしてます。
比較的都会が多いJ1とは違い、筆者が応援しているチームは地方どさ回りとでもいうべきJ2暮らし。いっそJ3なら沖縄という楽しみな遠征もありますが、やはり落ちたくありませんし、10年ぶりにトップカテゴリーへの復帰を果たしてほしいもの。
それでも微妙な地方へ行った時には試合を応援するだけではなく、それなりに観光をしたり、がっちりローカル電車に乗ったり、まあまあ美味しいものを食べたりと、どさ回りもそんなに悪いものじゃありません。ついでといってはなんですが、その土地のホールもしっかりチェックしております。
つい最近のことです。九州へ遠征したとき、「試合も勝ったことだし、ローカル線を楽しみつつ、駅前商店街のホールでもチェックしようかな」と思いました。地方の鉄道には長い乗り換え時間がつきものですからね。
ところが、駅前に商店街らしきものはなく、あったとしてもシャッター通りということが多いんです。郊外のショッピングセンターの賑わいとは対照的に、駅前商店街は寂れていくばかりで、時間を潰すのさえ困難なところが実に多い。辛うじてホールがあったとしても、電車(地方ではディーゼル車)から見えるロードサイド店の駐車場が満車なのに対し、駅前商店街のホールはいまいち元気がなかったりします。
都内が駅前を中心に栄えているのとは違って、地方は車社会なので仕方のないことなのかもしれません。それでも、遠征時には電車とバスが主な移動手段となるわけで、それはきっと人口比率が高い高齢者も同じです。電車やバスは学生か高齢者しか乗っていないことも多かったり……。
そんな公共交通機関に頼らなければならない人にとっては、駅前商店街の需要はまだまだあるはずですし、そこで人が集まる施設としてホールが中心となって街を元気にする役割ができるんじゃないかなと思います。
基本的に、ホールは地元にあまり歓迎されない施設であるのは間違いありません。でも寂れてしまった駅前商店街の中核施設として街作りから地元と協力してやっていくという姿勢も、さらなる高齢化社会には必要とされる時代がやってくるかもしれないですし、それくらい先を見据えた戦略があってもよいのではないでしょうか。
大げさかもしれませんが、何もない砂漠にカジノが集まり一大観光地になったというラスベガス同様、魅力的な施設があれば人は集まります。多くのホールが駅前から郊外へとシフトしながら拡大していきましたが、これからは「その逆に目を向けてることも実は大切なのではないかな」なんてことを、近くに喫茶店もない地方の駅構内の待合室で考えました。
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パチンコ・パチスロライター 喜納臭蔵(きなくさぞう)
学生時代にパチンコ・ パチスロの魅力に取りつかれて、はや30年以上。黎明期から始めたファン雑誌でのライター活動も20年を超え、このままずるずると続けるしかないなと(やっと)覚悟を決める。ファン側の立ち位置にこだわるが故に副収入は一切ないが、なけなしの財布から年1回のマカオ旅行も継続中。メールアドレス:kusazo@yahoo.co.jp