パチンコ市場、参加人口増と市場拡大で〝復調〟の兆し【レジャー白書2025】
2025.10.29 / その他情報参加人口は30万人増、690万人に回復
「余暇活動への参加・消費の実態」(図表1)によれば、2024年のパチンコ・パチスロ参加人口は690万人となり、昨年の660万人から30万人増加した。
外食や国内観光旅行など主要レジャーの参加が軒並み減少する中での、この増加はパチスロの増加の流れが拡大したことにある。特にスマスロの普及によって若年層・復帰層が増え、常連層の稼働も堅調に推移している。
なお、白書の参加人口は全国15〜79歳の男女3467人を対象に2024年の1年間における余暇活動(108種目)の参加率、回数、費用、希望率の調査をもとに推計している。
(図表1)
市場規模は2年連続増加、16兆2000億円
「余暇市場の推移」によると、2024年のパチンコ・パチスロ市場規模は16兆2000億円(前年比3.2%増)を記録(図表2)。2022年以降、2年連続の拡大であり、コロナ禍後のレジャー業界における回復を牽引する存在となった。
背景には、レジャー産業全般に見られるような設備・機械の高付加価値化と、来店客1人あたりの消費額上昇がある。特にスマート遊技機の導入拡大は、効率的な運営を可能にする一方、遊技体験の質を高め、市場の底上げに寄与している。
(図表2)
デジタル化と地域密着化が新たな柱に
余暇関連産業・市場の動向の分析では、ホールの存在意義を「地域のエンターテインメント拠点」と位置づけ、再生への方向性を示している。その鍵となるのが〝地域密着型〟と〝差別化戦略〟。
白書では「若年層向けのスマスロ導入や、地域イベントとの連携による高齢層の定着が収益改善に寄与する。さらに、顧客データを活用した広告や台の稼働状況の可視化など、デジタル化による効率化が時代の流れになっている」と指摘している。
レジャー市場全体が「少数参加・高支出」型へと移行しており、パチンコ業界も例外ではない。常連層を中心に「推し台」や「お気に入り店舗」への熱量消費が定着し、稼働を支える構造が生まれつつある。
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