実は約1600万人!? ダイコク電機が明かす“リアルな遊技人口”
2025.07.15 / その他7月14日、ダイコク電機は都内のホテルで「DK-SIS白書2025年版」の刊行記者発表会を開催した。そこではDK-SIS保有データ規模とSIS台数シェア(42.1%)から業界の真の市場規模を読み解くための新たな視点が示された。
「店舗数や遊技機台数が減少していることから、“業界全体が縮小し、ファン人口も 減っている”という論調が広まりがちです。しかし、市場規模を語る際に本当に注目すべきは粗利の規模なのです」とダイコク電機の情報システム事業部SISプロフェッショナル首席講師の片瀬宏之氏は指摘する。
総粗利はむしろ上昇傾向に
「DK-SIS白書2025」によれば、パチンコ・パチスロ市場における総売上および総粗利は、コロナ禍以降も大きな減少は見られず、むしろ緩やかな上昇傾向を示している (下図参照)。
特にダイコク電機では、「ファンの負け額の合計である総粗利こそが、業界の実質的な規模を示す最も重要な指標」と位置づけている。
片瀬氏は次のように続ける。
「総粗利はホール、メーカー、設備業者といった業界全体で分け合って成り立っている。だからこそ、この数字をいかに安定的に増加させていくかが、業界全体の発展の鍵を握るのです」


4円パチンコのアウトは1万720個、遊技時間は2時間12分と過去最低に。一方パチスロのアウトは8616枚、遊技機時間は3時間43分といずれも前年度より増加。20円パチスロの台数シェアは35.5%で、初めて4円パチンコの台数シェア(33.1%)を上回った。
「参加人口660 万人」に対する疑問
一方で、昨年の『レジャー白書』では、遊技人口が前年比110万人減の660万人と発表された。これに対し、片瀬氏は強い疑問を呈する。
「SISデータでは2023年から24年にかけて総粗利が横ばい(2.54兆円)にもかかわらず、遊技人口が14%も減少したというのは、実感的にもデータ的にも整合性に欠けるのではと思われます」
この点について、同社の情報システム事業部本部長の飯田康晴氏がさらに踏み込んで説明する。
7 月7 日に270 万人が来店? そこから導き出される実態
「当社のデータによると、2024年7月7日の遊技者数推計は270万人でした。仮に遊技人口が660万人であるならば、その日の参加率は遊技人口全体の40%を超える計算になります。しかもこれは平日です。本当にそんなことがあるでしょうか?」
飯田氏は、ファンSISのID ログや「サイト7」のアクセスログ、マイホール登録者の閲覧状況などを総合的に分析。その結果、全体の約16~17%が7月7日に遊技したという推計が導き出された。そこから想定される実際の参加人口については、非公式な見解ながら「想定する遊技人口は、現状より1000万人多い1660万人、どう控えめに見積もっても 1300万人(660万人の約2倍)は確実であろうと見ています」と語る。
660 万人という数字が一人歩きし、「業界の先行きは暗い」との印象を強めてしまっ ている現状。しかし、視点を変えてデータを多角的に分析することで、新たな事実や可能性が浮かび上がってくる。
改めて遊技人口の実態を見直すことは、業界にとって大きなチャンスになるかもしれない。
