子どもを車内に放置したままパチンコするなんて……ーいまさら聞けないパチンコの常識vol7

パチンコ屋さんに
子どもは入れない？

おはよーございまーす。人事総務部のチェリーこと紗倉千江里が担当する月イチ研修「いまさら聞けないパチンコの常識」の時間です。パチンコ屋さんで働きながら「当たり前」と思っていることでも、他人から「なんで？」と聞かれたら答えられないことって実はたくさんありますよね。今日のテーマもその1つかもしれません。 　早速、質問です。チョー簡単なやつです。さて、パチンコ屋さんに子ども－ここでは小学生とか中学生とかのイメージです－は入っちゃいけない。マルかバツか。
はい、ウチの若手社員19名から聞いたアンケート結果を見ると、パズーに向かって叫ぶシータのように「来ちゃダメ～！」と答えた人が圧倒的で、若干1名、問題ないのではないかと言っていますが、果たして皆さんの考えはどうですか？ 

 まずは答えから。簡単ですか？ そう、子どもがパチンコ屋さんに入っても…実は法的には問題ありません。もう一度言いますね。法的には問題はないんです！
「風俗営業を営む者は、次に掲げる行為をしてはならない」とした風営法第二十二条の5項には次のように書かれています。「十八歳未満の者を営業所に客として立ち入らせること」。（※注 ゲームセンター以外） え？ やっぱりダメじゃないかって？ ちゃんと読んでください。客として、お客さんとして立ち入らせるのが禁止であって、入ること自体を禁止にはしていないんですよね。いやホントに。ホントと書いてマジで。

じゃあなんで子どもは
パチンコ屋さんに入れないの？

この仕事をしていると、40代以上の人たちからは「昔は父親のひざの上でパチンコ打った」とか、「パンチパーマの店員から飴玉もらった」とか、そんな話を聞きますよね。そう、昔はフツーに子どもがパチンコ屋さんの中にいました。それがある時から「子どもはダメ、絶対！」って変わりました。何でか。そのきっかけとなったのは、群馬県のパチンコ屋さんで当時4歳の女の子が誘拐されるという事件が起こったからです。詳しく知りたい人は、ウィキペディア先生に聞いてみてください。まだ犯人は逮捕されていません。とにかくこの事件以降、パチンコ屋さんに子どもが出入りすることを、警察も、パチンコ屋さんも、厳しく規制することにしました。ちなみにゲームセンターの保護者同伴ルールもこれがきっかけになっています。
そしてここからが本日の本題なんですが、パチンコ屋さんが子どもの入店禁止を徹底したことによって、パチンコ店の駐車場における子どもの車内放置事故という新たな問題が発生したわけです。

子どもの車内放置事故は
なんで起こるのか？

皆さんも、この時期が来ると、うだるような暑さのなか、お店の駐車場の巡回をしていますよね。本当におつかれさまです。幸いなことにウチのお店ではいまだ重大事故が発生したことはありませんが、でも子どもの入店規制が厳しくなって以降今日までに、パチンコ屋さんの駐車場では悲しいことに30件の死亡事故が発生しています。一方でというべきか、さらにというべきか、平成29年からの5年間で実に450人以上の子どもを放置された車内から救出しています。
私たちが何で駐車場の巡回をするのか？ この問いに対して、皆さんはどう答えますか？
　もしパチンコ屋さんの駐車場で子どもが亡くなったら、依存症だなんだとメディアがパチンコ屋さんを叩くから？ それも一理あります。パチンコ業界はただでさえバッシングを受けやすい業界ですからね。でも、でもそれが本質ではありません。ぶっちゃけ依存問題とかどうでも良いんです。ただ子どもを死なせたくない。それだけの理由で十分なんです。
今日のおしまいに、全日遊連さんが公開している、令和4年「子ども事故未然防止事案報告」からバカ親の醜悪な事例を。
「従業員が駐車場巡回中、エンジンとエアコンが稼働中でドアが未施錠の車内助手席チャイルドシートに寝ている男児を発見。従業員複数で男児の様子を確認しながら店内放送での呼び出しと防犯カメラの確認を行ったところ、3分後父親が戻ってきて、謝罪の上退店した。父親はトイレを利用していたと弁明していたが、パチスロ遊技を行っていたことがカメラで確認された」
子どもを車内に放置したままパチンコする親なんて、あんたが死んじゃえばいい。私はそう思います。子どもの車内放置事件は、パチンコのせいでも、依存症のせいでもありません。親を語る資格のない、バカ親のせい以外の何物でもないのです。
でも理由がどうであれ、絶対の絶対に、子どもを殺さない。皆さん、よろしくお願いいたします。