「側」は同じ、スペックは変えた新台「Pカバネリ」は実績を残せるのか
2023.05.12 / その他【月曜】大手法人機械対策課SH@CKの新台講座#298
今週の紹介機種は「P甲鉄城のカバネリ4,000連撃ver.」
2023年6月4日週導入開始予定
メーカー:サミー
全国6,500台予定
「柳の下の二匹目のドジョウを狙う」と言うことわざがある。一度成功を収めた人や物事に準じて後釜になろうとすること、あるいは既存のものを真似して作られたものという意味だ。
パチンコ業界の遊技機開発は、このことわざにすがりついて進められているのではないだろうか。もちろん内規が定められているため、スペックが似通ってしまうのは仕方ないかもしれない。だからこそコンテンツ・演出となる「側」だけは変えて、新台としてリリースされているワケだが、最近は「側」は同じで見た目のスペックを変更した完全に二匹目を狙うケースが多発している。
これはライト帯の機種のリユースも考慮すると決して珍しいことでもなく、同確率帯であっても実績を残した機種も希少ではあるが存在する。そう、希少なパターンでしか実績は残せていない事実があるのだ。
100回の失敗に目を向けず、1回の成功を目指すのは「時と場合」によっては必要なことなのかもしれないが、時と場合を考えてもらいたいのがホール従事者にとって本音である。本機も例に漏れず類型機となるので、「慶次漆黒」「Re:ゼロ鬼」「地獄少女覚醒」の様に実績を残せる機種となることに期待したい。
そんな「P甲鉄城のカバネリ4,000連撃ver.」は前シリーズの2SPECリリースとは異なり、ハイミドル帯のみでのリリースとなっている。基本情報は表を確認してみよう。
スペック
《基本スペック》
通常確率 | 約1/319.7 |
RUSH仕様 | 2段階突破型2種ショートST |
RUSH①突入率 | 約70% |
RUSH①仕様 | 初当り後6回当選後RUSH②突入抽選 |
RUSH②突入率 | 約50.7%※残保留2回転 |
RUSH②中確率 | 約1/3.36 |
RUSH②継続率 | 約91.6% |
初当り時期待出玉 | 約4,677個 |
RUSH期待出玉 | 約8,813個 |
時速獲得出玉 | 約40,000個 |
《大当り振分 通常時》
ラウンド数 | 出玉(払出) | 移行状態 | 振分 |
10R | 約1,100個 | RUSH①へ | 70% |
10R | 約1,100個 | 通常へ | 30% |
《大当り振分RUSH時》
ラウンド数 | 出玉(払出) | 移行状態 | 振分 |
10R | 約1,100個 | RUSH(②時短5回+残保留2回)へ | 20% |
3R | 約330個 | RUSH(②時短5回+残保留2回)へ | 80% |
上記のスペック表より同社機「P TIGER&BUNNY」の様に2段階RUSHとなっており、初当り時に初当りRUSH突入時に一定の出玉を獲得し、本RUSHへの突入抽選を行うフローとなっている。
本機はRUSH初当り時には7回(初当り込み)の大当りを獲得後にRUSH抽選を受けるフローとなっており、初当り1,100個+6回×RUSH中1回当り期待出玉484個の約4,000個を獲得できる仕様となっている。
消化後には残保留となる2回転でTSA約1/3.36を引き戻すことができれば、時短5回+残保留2回の計7回約91.6%STの本RUSHへ突入する仕様となっている。
本機の最大の特徴は初当り時のRUSH突入振分は70%と高く、突入時点で約3,600個の獲得、約1/2で本RUSHへ突入すれば他ハイミドル機と遜色ない8,000個OVERの獲得期待値のあるバランス型ともいえるスペックとなっているのだ。
演出
演出面は、2021年4月にリリースされた前作をベースとしており、スペックが大きく変更されたためRUSH中の演出が一新された。前作が耐久型小当りRUSHであったので当選演出自体は少な目だったことに比べ、今作はSET&超高継続率STとなっているので、他類型機同様にカウントダウン中の当選を繰り返す仕様となっている。
通常時・RUSH中共に演出カスタム機能が追加されており、演出期待度のカスタムが豊富となっている。
本機「P甲鉄城のカバネリ4,000連撃ver.」の訴求ポイントは「コンテンツ&スペック」だ。
コンテンツ訴求は本機のリリースがパチスロシリーズの高実績にあやかってのものとなるので、着座の入口としてはコンテンツを推すことが重要となり、同時期リリースのパチスロ新パネルとの相乗効果を狙った訴求が効果的となるだろう。
そして、スペック訴求については『RUSH突入率70%!7回当選保証!』『RUSH継続率92%!』等の間口の広さと担保出玉の多さをメインに訴求することが効果的となるだろう。
カバネリのパチスロシリーズは、6.5号機初頭機種として7千台からスタート、度重なる増産と2回の新パネルリリースにて約4万台まで膨れ上がろうとしている程の大ヒット機種となった。
L機も「北斗の拳」によって記録的な盛り上がりを見せている一方、昨年末にリリースされたスマスロ4機種は導入当初の稼働状況と比較すると見る影もない状況となっており、まだまだS機とL機とのニーズ差はまだ均衡した市場となっている。
本機の実績にも期待したい所ではあるが、「Sカバネリ」の更なる超長期稼働に役立つ活用を心掛けるべきだろう。
