出玉カード盗難問題に対してホールはどう対策をするか

2023.02.15 / コラム

スマスロが市場に導入されてから3カ月が経過しようとしている。出玉がないということはエコの観点では非常に有意義なことであるし、マーケットに新たな風を吹かせる希望の光として期待もされている。

しかし、光あれば影あり。SNSなどネット上にはスマスロに関するいくつかのトラブルが報告されている。その1つが出玉情報が入ったカードの盗難だ。つい先日も12000枚もの出玉情報を含んだカードが離席中に盗難されたとして話題になった。

出玉の有無に限らず、パチンコ業界は長い年月をかけて置引きを課題として防犯に取り組んできた。しかし、出玉を流すという作業がない分、スマスロは出玉ありのS機に比べてスタッフによる接触が1回少なくなる。つまり、監視の目が働きにくくなるのだ。

しかも、スマスロの場合、遊技機からユニットへの出玉の転送はボタンを長押しするだけ。1000枚程度のメダルなら数秒で盗難されてしまう。

これを防ぐには人の目では厳しい。島を巡回するスタッフとカウンターを担当するスタッフは異なる場合があり、実際遊技していた人が交換をしたかどうかを逐一付け合わせをすることは、スタッフの作業効率的にも現実的ではない。

また、盗まれたものや額の補償についてもホール側が対応することも現実的に難しい。実際置引きの被害に遭った人からしたらトンデモない話だが、〝被害者のフリをした共犯〟ということも可能性としてはゼロではないからだ。

となると、やはりユニットなどが持つ機能によって防衛することが最善手ではないだろうか。例えば、ダイコク電機のユニット「VEGASIAⅢ-SS」には、ロック機能やセーフモード、人体検知ロック、顔認証カメラによる追跡システムなどのセキュリティ機能が充実している。 

機能によってセキュリティーを高めることも防衛の手段ではあるが、一番大切なことは、ユーザー自身が意識を高めることだ。どんなに高機能なシステムだとしても、ユーザーが操作をすることが一番最初のアクションとなる。その上でホールはトイレやタバコなどの離席の際には、必ずロックをかけていくことを啓蒙するなど、事件に巻き込まれる人が少なくなるようにしたい。

盗難, 置引き, スマスロ