6.5号機の導入はパチスロ市場に大きな変化をもたらした。この盛り上がりについては近々に特別記事にてお伝えしていこうかと考えているが、とにかく現在パチスロ市場が活性化されていることは言うまでもなく、各メーカーからは今まで以上の規模でパチスロリリースが予定されている。
本機も6.2号機以前の内規にてリリース間近まで進んでいたが、コナミ屈指のコンテンツによるためか、いつかし6.5号機でのリリースに切り替わっていた。2,400枚の制限はほぼ解消されており、本機に至ってはその点を大きなセールスポイントとしたシステムを搭載しており、パチスロ市場が勢い付く一助になることに期待している。
そんな本機は確率変動型のA+AT機となっている。それでは基本情報を確認しよう。
そんな本機は6.2号機の低ベースAT機となっている。それでは基本情報を確認しよう。
基本スペック | ||||
設定 |
通常時 ボーナス確率 |
RUSH中 ボーナス確率 |
RUSH確率 |
出玉率 |
① | 1/399.6 | 1/99.9 | 1/350.1 | 97.9% |
② | 1/394.8 | 1/99.0 | 1/336.1 | 99.1% |
L | -- | -- | -- | -- |
④ | 1/381.0 | 1/97.1 | 1/312.6 | 101.5% |
⑤ | 1/360.1 | 1/94.0 | 1/297.3 | 104.4% |
⑥ | 1/341.3 | 1/91.7 | 1/286.9 | 108.2% |
通常・AT仕様 | |
50枚ベース | 約34.9G |
タイプ | 確率変動型A+AT |
AT仕様 | 押し順AT・約0.7or2.5枚/G |
ボーナス仕様 | 白7:150枚※RUSH①期待度約35%・黒7orBAR:100枚 |
CZ詳細 |
約1/130・通常時BAR揃い※約215枚払出まで内部状態継続 |
RUSH①詳細 | AT0.7枚・50G・ボーナス当選でRUSH②へ昇格 |
RUSH②詳細 | AT0.7枚・100G+α・ボーナス当選で再セット・約80%LOOP レア役でHOLD抽選・ボーナス中はSETストック&RUSH③抽選 |
RUSH③詳細 | AT2.5枚・ボーナス成立or差枚2,400枚到達 |
RUSH②期待値 | 約869枚 |
天井 | 通常(CZ含まず)460G消化でRUSH 白7&RUSH間960GでRUSH |
「Sキャッツアイ」のように、通常時のBARぞろいボーナスをCZ「ガールズイベント(及び「ガールズアタック」)」として採用した機種である。高確率時にもBARぞろいボーナスは成立するが、ほぼ通常状態と変わらない。
CZは内部的に215枚の払い出しが済むまで継続する仕様で、消化におよそ約150Gほどかかる。表面上は通常状態でも内部的にはこの間はボーナスとして遊技することになる。ボーナス中は他のボーナス抽選を受けることが規則上できないので、純ボーナスの通常時の出現率は比較的重めだ。
BARぞろいボーナスは入賞直後に必ず2段階で構成されているCZへ突入する。まずはスゴロクの様なキャラマスで特殊リプレイの押し順ナビ発生率が変化するパートで特殊リプレイを入賞させ、入賞後に入賞時のキャラマスに応じたCZにてRUSHを目指す。
CZはBARボーナスの消化中にも抽選されるので、入賞時のCZに失敗しても消化までに複数回突入するチャンスとなり、RUSH確定後は、残りのボーナス消化枚数はナビが発生して獲得枚数が増えるのはユーザーにとってムダ引き感がなく嬉しいところだ。
RUSHのゲーム性は基本的にパチンコのST式を採用している。RUSH中に高確率で成立するBARぞろいは、黒7BBと同一フラグになっているため、黒7BBと白7BBの合算値は1/99を超える。通常時とは打って変わって高確率でボーナスが連続しやすい仕様だ。
このRUSHの状態は3段階ある。
RUSH①「ベースアタック」
これはパチンコでいうところの時短突破型のような状態だ。50G中にボーナスを成立させることで本RUSH「ボンバータイム」(本稿でいうRUSH②)へ昇格するフローとなっており、昇格率は約40%ほど。
RUSH②「ボンバータイム」
100G+α中にボーナス成立でゲーム数を再セットするフローとなり、レア役などでゲーム数減算をHOLDする抽選があり、再セットのLOOP率は約80%と高い。そして、そのボーナス中にはATのセットストック抽選を行われる。
セットストックは再セットに失敗した場合のみ使用される仕様なので、セットストックは継続率を大幅に増幅させるものになっている。
RUSH③「スーパーボンバータイム」
ボーナス中の抽選及び残り差枚が一定数に達した場合にはRUSH③へ昇格するのだが、ここが本機の最大の特徴とも言える。
本機は6.5号機ながらも原則RUSH突入で有利区間をリセットするタイプとなる。6.5号機の大きな特徴である差枚放出をするには、通常ベースと最大天井を考慮する必要があるが、本機はそこまで大きな吸込み性能を有しているとは言い難い。
RUSH③はいわゆる無限ATとなり、ボーナス成立もしくは差枚2400枚で終了する。しかし、ボーナス成立による終了の場合は一旦有利区間をリセットし、約80%でRUSH②へ復帰できる仕様となっている。
さらに、このRUSH②へ復帰する際にセットストック特化ゾーンが付与されるので、超高継続率のRUSH②への復帰となる。これにより再度完走が期待できるRUSH③が再び視野に入ってくる。
また、ここからがニクいポイントだ。このRUSH③の差枚2400枚到達による終了タイミングは、〝押し順ナビ無視〟によって状態を延命することができる。つまり、ユーザー任意によって終了タイミングをボーナス成立にすることが可能なのだ。このアイデアが生み出した最たるものが、『2400枚×80%LOOP』という触れ込みのスペックであり、RUSH③の一撃性能を非凡なものとしている。
このRUSH③による有利区間をシームレスなものにさせる性能は現市場随一と言っても過言ではないだろう。
総じてリアルボーナスを起点とした演出がメインとなっており、CZはコンテンツを生かしたキャラによる演出が多数。そして、ST中は任意でボーナス告知演出方法を選択可能となっており、キャラカスタム可能。ただし、本機の最大の特徴となっているRUSH③のボーナス成立による終了条件は演出としては発生しないので、そのタイミングは情報として得ておく必要がある。
本機「Sボンバーガール」の訴求ポイントは『コンテンツ&スペック』。
国民的ゲームである「ボンバーマン」を女の子にしたゲームが題材となるが、「マン」が「ガール」になったことで、ビジュアルが違い過ぎてシリーズであることが伝わらない可能性がある。「ガール」は知らなくても、「マン」なら知っているユーザーもいるだろうから、シリーズの関連性をアピールすることは意識しておいて損はないだろう。
そして、スペック訴求については、攻略法的にRUSH③の注意事項と共に業界初スペックとなる『2400枚!?80%LOOP!』を訴求することが、店舗における一番効果が高いプロモーションとなるだろう。その反面、システムを知らなければ、いわゆるパンクと同じ部類の大損をさせるものとも捉えられかねないので、必ず事前情報として認識させた上で遊技させる環境を徹底するべきだろう。
実の所、同社機「マジハロToT」にも同様のシステムが搭載されていたが、これを含んだ出率がメーカー発表値となっていた。しかし、そう簡単には辿り着けるものではなかったため、実出率は発表値に比べて大きく下回る実績となってしまい、結果として情報が周知される前に見向きもされなくなった手痛い過去を忘れてはならない。
……ここからは一般ユーザーには少々厳しく聞こえるだろうが、あえて言おう。6.5号機の登場により現在パチスロ市場が注目されるようになったのは、誰の目にも明らかだ。だからこそ、「6.5号機=面白い」と盲目的な状況を継続させることがパチンコホール経営を持続可能なものとするためには非常に重要なのだ。本機を含めた1機種1機種の稼働が、今後のパチスロ業績を担うことになる。「新台ハイ回収」と無碍にすることなく、大事に扱っていくことが非常に重要にもなる。