3月12日、日工組(筒井公久理事長)は昨年末に改正された「技術上の規格解釈基準」の詳細をプレスリリースで発表した。
主な改正ポイントは以下の3点。
まず第一に、これまで100回が上限であった時短作動回数が、上限が撤廃されることとなった。
また、この上限撤廃は後述するすべての時短に適用されるものであるが、新設された2つの時短機能では内規によって別途に上限を定められている。内規で定められた上限は、大当り確率(設定を持つ場合は最低確率)の分母の3.8倍までの回数となる。
そして2つ目が、「遊タイム」に代表される新たな時短の作動契機の追加だ。
従来からの大当り終了後に作動する時短が「a時短」と呼ばれるようになり、新たに通常時の規定回転数消化で作動する「b時短」と、通常時の特定図柄表示で作動する「c時短」と3種類に。このうち「b時短」を日工組では「遊タイム」と表現している。作動確率などの詳細は以下の通り。
低確率中に、大当り確率の分母2.5倍以上~3.0倍以下の間で規定された回数の図柄変動で作動。また規定回数は1機種について1個までとされるため、設定を搭載している場合はすべての大当り確率において条件を満たす回転数を1つ定めなくてはならない。
確率別の具体例 | |
大当り確率(低確率) | b時短が作動するまでの回数 |
1/99 | 248回〜297回 |
1/199 | 498回〜597回 |
1/319 | 798回〜957回 |
設定⑥ 1/99 〜 設定① 1/119 | 297回(1通りのみ) |
設定⑥ 1/266 〜 設定① 1/319 | 798回(1通りのみ) |
設定⑥ 1/250 〜 設定① 1/319 | 作動不可 |
時短作動回数の具体例(c時短も同様) | |
大当り確率(低確率) | 時短の作動回数(確率分母の3.8倍) |
1/99 | 最大376回 |
1/199 | 最大756回 |
1/319 | 最大1212回 |
また、c時短の作動契機となる特定図柄の確率や図柄の数については特に定められていない。
これまで確変中のリミッター上限値は1通りのみであったが、確率変動100%(転落なし)の機種に限り2通りまで規定できるようになった。なお、各規定回数リミットの出現率は1/10〜9/10で設定可能。
改正された解釈基準における新たなパチンコ機は4月1日からホール営業所にて開店可とされ、順次、型式試験申請中とのこと。
また、リリースでは以下のように日工組からのメッセージも記載されている。
パチンコ業界はこれまでの長い歴史において、いつの時代もファンのみなさまに安心して楽しんでいただけるように安全な遊技機を提供すること、そして、社会情勢や人々の嗜好、ライフスタイルが変化するなかで、時代に即した多種多様な遊技機を提供し、ファンのみなさまに喜んでいただくことを、心がけてまいりました。日工組はパチンコメーカーの団体として、遊技機の提供を通じて、業界の健全化・活性化に真摯に取り組んでおります。
「遊タイム」をはじめとする新機能は、パチンコの遊技性を向上させる可能性を秘めており、ファンのみなさまにもきっと新鮮な驚きをもって受け入れられると確信しております。
4月にはパチンコホールが原則屋内禁煙になるなど、パチンコ業界を取り巻く環境は大きく変わることが予測されます。日工組では、新たなファンを獲得するチャンスと捉え、新時代のパチンコを創造するとともに、広報やプロモーション活動も行ってまいりますので、ぜひ今後の展開にご期待ください。