この報道に素早く反応したのが日遊協の西村拓郎会長だった。内閣官房に確認したところ、正確にはパチンコ店を含む遊技施設の今までにない感染への注意喚起で、実際にはパチンコ店での遊技客間でのクラスターの報告がなかったことを確認した、とSNSなどでも発信した。
ホール従業員の会食で27人の職場クラスターは発生しているが、お客さん同士のクラスターはまだ発生していないことに業界関係者は胸をなでおろしただろう。
商業施設の中ではタバコを吸う環境だったので換気能力が一番優れており、お客さんは黙ってパチンコ台に向う。飛沫感染防止対策で台間に分煙ボードなどが装備されている。光触媒コーティングの施工でウイルスを不活性化させているホールもあるので、お客さん同士のクラスターは発生しにくい。満員電車よりも安全と言える。
ただ、慢心することなく感染拡大予防ガイドラインの愚直な徹底は行わなければならないが、ホールには遊技スペース以外で危険な個所がある。
「感染者が多い地域の保健所は崩壊状態で、追跡調査ができなくなっている。特に東京は制御不能で実際どこで感染したのか分からない。デルタ株はどこで感染してもおかしくないから、西村大臣はパチンコ店の名前を出して注意喚起を促した。パチンコ店では事務所、休憩室、金庫室、喫煙ルームが危ない。喫煙ルームは即刻使用を禁止にすべき。喫煙ルームの近くの席も危ない」と話すのは感染症の専門家。
これまでは、遊技スペースの安全対策ばかりに目が向いていたが、従業員間でのクラスターを発生させないために、こんなことを止めているケースがある。
毎日の朝礼などで大きな声を出して、社訓や接客七大用語を唱和するホールは少なくない。マスク越しと言えども大声を出すことは飛沫が飛ぶ恐れはある。社訓は黙読に替えたホールもある。
