【注目エリアレポート】D'STATIONが牽引する下町感あふれる副都心【東京・錦糸町】（前編）

4月29日のオープン以降、全国有数の高稼働を続けるSuper D'STATION錦糸町店。同店に牽引されるように周辺のみとや錦糸町店、ヒノマル錦糸町店なども客足が伸びている。稼働が低くて閉店した旧店舗を居抜きで買取り、グループNo1の繁盛店にしたSuper D'STATION錦糸町店の経営・集客戦略を中心に地域の動向をレポートする。

前編

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再開発による利便性と昭和の猥雑さが混在する街

東京駅まで総武線快速で8分とアクセスのよい東京都墨田区錦糸町は、東西を結ぶJR線によって南北に分けられる。

北側は再開発が進み、駅から徒歩2分の錦糸公園には墨田区総合体育館や野球場・テニスコートもあり、ショッピングモール「オリナス」が隣接するなど、近年はファミリー層に人気のスポットだ。一方南側は、場外勝馬投票券発売所「WINS」の周辺に飲み屋・風俗店が広がり、「飲む・打つ・買う」が満たされる昭和の名残をとどめる猥雑なスポット。そのためか周辺には独身男性層が多く居住する。

ただ、都心の多方面にアクセスしやすい錦糸町は、バス路線も充実し、南側においても少し離れればファミリー向けの居住地が広がり、駅利用者の商圏範囲は意外に広い。

 

2つの企業が競合してきた錦糸町駅周辺の商圏事情

錦糸町駅前商圏にパチンコホールは7店舗、総台数は3093台ある。駅から一番近いのは南口の「スロットKeiyo（144台）」になるが、人の流れから外れる裏通りに位置し、周囲に活気もないため稼働はその影響を強く受けている。南口を出て国道14号を渡ると古くからパチンコ店が集まる「WINS」側の区画があり、細い路地にホールが4店舗連なっている。

ホールが4店舗並んで建っている光景も珍しいが、駅側からヒノマル・みとや・ヒノマル・みとやと2法人が交互に並ぶ場所は日本でもここ以外にないだろう。この4連ホールは昔からのものだが、元々はそれぞれ別の法人が運営しており、現在の「ヒノマルVSみとや」の構図の始まりは2006年、駅に一番近い場所に「ヒノマル錦糸町店」が出店した時期からだ。

その後、隣に「みとやジャックポット錦糸町店（176台）」が出店し、翌年「ヒノマル錦糸町2号店」、そこからさらに3年経過した後に「みとや錦糸町南口店（318台）」が出店。2018年にヒノマルが1号店を「スロット館（369台）」に、2号店を「パチンコ館（414台）」に専門化して現在に至る。

 

一方、北側は今年3月に「パンドラ錦糸町北口店」が閉店したことで、「みとや錦糸町北口店（672台）」1店舗のみに。5階までの多層階店舗ながら「D’STATION」出店までは商圏最大規模で、駐輪場が充実しているのが強みだ。

そして、今年4月にオープンした話題の「SuperD’STATION錦糸町店（1000台）」は、規模が一番大きいが、駅からは一番離れたホールだ。

 

【錦糸町駅前商圏：基本情報＆商圏背景】

 

 

• 錦糸町駅にはJR総武線・東京メトロ（半蔵門線）の2路線が乗り入れており、乗降客数はJR線が21万人/day・東京メトロが11万人/day。
• 周辺居住人口は、半径1km圏‐6.9万人（14.3人/台）・半径2km圏-29.6万人（61.6人/台）。（※台あたり人口の全国平均は31.3人）
• 駅周辺には駅ビルを中心に商業施設が集まっており、半径1kmの昼間人口比率は142％と高く、居住地が広がる半径2Km圏では98％になる。現在は緊急事態宣言下で閉場となっているが、南口側にはJRA場外馬券場が2館ある。

駅中心の半径2km圏は、全国平均と比べて若年傾向のある東京都平均よりもより若い地域。単身比率は50％と高く（全国平均34.5％）、持ち家比率は43％ （全国平均62.3％） と低い。

＜ヤング層（18～34歳）＞ 全国 17.7％ / 東京都 21.2％ / 半径2km圏 22.7%
＜ミドル層（35～49歳）＞ 全国 21.2％ / 東京都 24.4％ / 半径2km圏 25.6％
＜シニア層（50歳～）＞ 全国 45.6％ / 東京都 40.3％ / 半径2km圏 39.0%

半径2km圏にパチンコ店は21店舗8453台。錦糸町駅前商圏で見ると7店舗3093台。動きの少ない商圏だが「パンドラ錦糸町北口店（586台）」が3月に閉店している。これまで2km商圏の商圏最大規模店は「新！ガーデン亀戸（740台）」、錦糸町駅前商圏は「みとや錦糸町北口店（672台）」が最大規模店だったが、Dステの出店でいずれも2番手に。

 

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