全国初!選定IR事業者「クレアベスト」と和歌山県の皮算用(後編)

2021.07.15 / カジノ

IR誘致を目指す横浜市、大阪府・大阪市、和歌山県、長崎県の4地域の中で、6月2日、和歌山県が先頭を切ってIR事業者を選定した。その業者はカナダに本社を構えるIR投資会社のグループ会社「クレアベストニームベンチャーズ」(本社・東京都)。国内では聞きなれないこの業者はこれまでにどんな事業を展開し、和歌山の地でどんなIRカジノ構想を描いているのか。

選択肢がない中で選定事業者となったクレアベストとは?(前編はこちらから)


初期投資額は約4700億円 目標来訪者数は年約1300万人

クレアベストが提案するIRとはどのようなものか。「木の国・水の国〜自然豊かな滞在・体験型IR」をコンセプトに、日本遺産・和歌の浦に浮かぶ「浮遊都市」、自然災害に強い「安全・安心な都市」、長期滞在が可能な「癒しの都市」を3つの柱に掲げている。

候補地は1994年に竣工した人工島・和歌山マリーナシティで、IR施設全体の延べ床面積は約56万9000平方メートル、うちカジノ施設が約3万8000平方メートル。3000人収容の大会議場、6万平方メートルの展示スペースを持つMICE施設、約2700室の宿泊施設などで構成される。

初期投資額については県の基本構想にある約2800億円を上回る約4700億円の投資を提案、目標来訪者数も和歌山県の約400万人に対し、3倍超の約1300万人を想定している。また、開業4年目の経済波及効果を約2600億円と見込んでいる。

 

 

ここで注目したいのが目標来場者数約1300万人のうち、外国人は約300万人としている点。つまり残りの1000万人を国内からの来場者と想定しているのである。このことはカジノによるインバウンド効果はさほど見込んでおらず、収益の多くを日本人客が占めるという同社の予測が明確に表れているといえる。また、開業予定については県が2026年春を目標としているのに対し、今から約6年後の2027年秋を予定している。

今後(事業業者選定後)の手続きとしては、「県は事業者と共同して、国へ申請する区域整備計画を作成する」「事業者は、区域整備計画の作成について、県に最大限協力しなければならない」「優先権者選定後、県の事前の承諾がある場合、コンソーシアム構成員の追加を行うことができる」「コンソーシアム構成員のみならず、協力企業や委託先などに対しても、必要に応じて徹底的な背面調査を実施する」とされている。

さらに、提案内容を向上させることを目的に、県は優先権者に次の3点を求める予定だという。

①事業者提案書の内容をブラッシュアップするための変更。
②事業実施体制を強化するためのコンソーシアム構成員の追加。
③資金調達の確実性を担保するため、融資確約書の提出。

ここで言うコンソーシアム構成員の追加については、前出のようにクレアベストが優先権者として選定されて以降、AMSEとパルトゥーシュが参画したが、今後さらに新たな企業が加わる可能性もある。これについて県のIR推進室は「今後クレアベストから正式にコンソーシアム構成員追加の申請があれば、事業実施体制の強化につながるものであるのか、また適格性に問題はないか、について確認するなど所要の手続きを行った上で判断していく」と話している。

なお、県は地元経済の発展や地元雇用の創出などにより、地域経済の振興に寄与するため、事業実施体制の強化にあたっては、県内事業者が広く参画できるオール和歌山の体制づくりを求めている。 その上で、地域振興に大きく寄与し、国の観光立国政策に貢献する優れた区域整備計画を作成し、申請期限である2022年4月28日までに国への申請を行うというのが基本方針である。

 

和歌山県が描くバラ色の青写真は具現化するか?

大阪府・大阪市、横浜市、長崎県・佐世保市とともに、日本版IRに参画を表明している和歌山県は、2003年に「地方自治体カジノ研究会」を発足するなど早くからIRカジノの法制化へ向けた動きを進めてきた。2016年12月にIR推進法が施行されてからは、和歌山IR推進協議会の設立、定期的なIRシンポジウムの開催、「和歌山県IR基本構想」の策定、IR誘致推進プロジェクトチームの設置、県民に向けた統合型リゾート(IR)説明会の開催など2020年3月の事業者公募に至るまで積極的に誘致活動を進めてきた。06年に和歌山県知事に就任し4期目となる仁坂吉伸氏は一貫してIRカジノ誘致に意欲を示しており、20年9月にはカジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致計画を巡り、市民団体から反対署名が提出されたことに対して、「嫌いだから誘致をやめるというのは将来世代へ無責任だ」とはねつけ、改めて計画推進の考えを強調。さらにIRの効果について観光振興や雇用創出などを挙げ「反対なら代わりの和歌山再興策を言えないと一人前の意見とは言えない」と指摘した。その上で「署名された方の不安を払拭できる十分な手立てを国、県ともに考えており、理解を得られるよう説明していく」などと話した。

 

 

では、和歌山県が描く観光振興や雇用創出、さらには依存問題や治安の悪化など反対住民の不安を払拭する手立てとはどのようなものなのか。

建設投資額とは別に運営などによる経済波及効果を年3000億円、雇用創出効果を約2万人と算出する。この算出条件は和歌山と大阪の双方にIRがあり、かつ施設規模がミニマム(最小限)であるとして計算されている(詳細は図表4参照)。業種の中でも大きく伸びるのが娯楽サービス業の約1420億円、雇用約2700人(48.5%増)、次いで宿泊業の約360億円、雇用約3100人(42.5%増)、そして飲食サービス業の約246億円、雇用5600人(21.5%増)である。

また、納付金としてカジノの粗収益15%が認定都道府県に納付されるため、カジノ施設の売上を1401億円として210億円の収入、および入場料収入(日本人のカジノ利用者には施設入場時に、6000円の入場料が課され、それを国と県で折半する)として73億円を見込んでいる。そして、それらの収益は観光や地域経済の振興、社会福祉の増進および文化芸術、教育振興などに充てられるという。

さらに、IRを設置することにより和歌山全体が発展していくための仕組みとして、

クロスマーケティング……IR来訪者を積極的にIR外へ誘導し、和歌山の観光施設や地元商店を楽しんでもらう仕組みづくり
地元優先……IRで消費する物・サービスなどを地元から優先的に調達する仕組みづくり
高等教育機関との連携……高等教育機関と連携して、地元に密着したIRの実現を目指す
メディカルツーリズム……医療サービスを目的とするIR来訪者を受け入れ、既存観光資源と連携して長期滞在型の観光を目指す
スポーツツーリズム……新たなスポーツ大会、スポーツ合宿の誘致

―を掲げている。そして「和歌山県の成長戦略としてIRはとっておきのメニューの1つであり、IRの経済波及効果は絶大」と結論づけている。

一方、IRに伴う不安の払拭については、ギャンブル依存症・破産リスクを防ぐ手立てとして、「IRカードの作成と上限額の設定」「予防教育」「依存症対策専門員の配置」などで対策。治安維持のためには「カジノ施設内外における監視・警備」「暴力団員等の入場禁止」「マネーロンダリング対策」などで対応していくとしている。

特にギャンブル依存症対策については、「IR整備法による入場回数制限を含めた重層的で多段階的な厳しい規制に加え、本県独自の取組として予防教育を実施するほか、事業者に対して依存症対策専門員の配置や、カジノ施設を利用する日本人および外国人居住者に対して、当該施設へ入場する際にあらかじめ利用上限額を設定するチャージ式の『IRカード』の導入を求めています」(IR推進室)と話す。

コロナ禍によるスケジュールの延期、収益の見直し、事業者に対する厳しい規制やルール、有力事業者の相次ぐ撤退。誘致を表明する自治体と参画する事業者にとって前途多難の状況で推し進められる日本版IRは、果たして懸念される数々の負の要因を払拭し、コロナ後の地方経済に思惑どおりの成長をもたらしてくれるのか。

 

出典/和歌山県IR基本構想(改訂版)

 

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