7月7日、日遊協のパチンコ・パチスロ依存問題防止研究会(座長/篠原菊紀諏訪東京理科大学教授)は都内の同会会議室で記者会見し、現行遊技機の出玉性能や広告視聴・イベント参加が、「パチンコ・パチスロ関連のギャンブル等依存症うたがい(遊技障害うたがい)」のリスクを増加させる原因になるとはいえないとする研究結果を報告した。
同会は2年間で3回にわたる追跡調査を、パチンコ・パチスロユーザー(日本在住の18〜79歳、過去1年にパチンコ・パチスロ経験がある人)1000人に対して実施。遊技障害を測定する項目に加え、出玉を測定する項目としてパチンコ機ではミドル、ライトミドル、甘デジ、パチスロではAT・ART、A+ART、ノーマル、30φと、それぞれのタイプ別に利用頻度を調査した。さらに、広告宣伝の視聴経験やイベント参加経験なども合わせて質問。その結果、いずれにおいても「遊技機障害うたがいのリスクに影響したり、高めたりする要因はなかった」
また、追跡調査によりこの1年で遊技障害うたがいの得点が低下していることから「コロナ禍で依存リスクは下がったようだ」と分析した。
さらに遊技費用を把握し、金額や時間制限の設定・遵守するなど健全プレイを守る人ほど、遊技障害うたがいの程度が低いという調査結果から「健全プレイ(金額制限、時間制限)の推進が予防的に有望」とした。
今回の調査結果を受けてパチンコ・パチスロ依存問題防止研究会では以下の「ぱちんこモデル2021」を導き出している。
・パチンコ遊技は個人の選択と責任である
・事業者はプレーヤーが適切な選択ができるよう正確な情報を提供する
・安全なパチンコプレイは可能だし、ほとんどの人はそのように遊んでいる
・高リスクの人(※注)にとっては、パチンコが自身や家族に大きな害となりうる
・パチンコ遊技での問題を減らすのに、断パチンコ必須ではない
・パチンコで問題が生じているプレーヤーでも参加の制御は可能である
※注/不安、抑うつ、衝動性が高い人。刺激希求性が高い人がストレスを感じている時。両価性の強い人。自分はぱちんこがコントロールできないと思っている人。併存障害を持つ人。「暮らし」「仕事」「学習」「余暇」に楽しさが見いだせない、生きづらい。