必要か 不必要か 「遊タイム」論争完全決着!? その2

2021.06.15 / コラム

必要か不必要か『遊タイム』論争完全決着!? その1」からの続き

 

現場店長が語る遊タイム論争の答えとは!?

ユーザーが求めているなら

「必要」と判断すべき

加熱していた「遊タイム是非」論争。ホール関係者のアンケート結果は「スペックによっては必要」という意見が目立ったが、常にユーザーと真剣に向き合い、プレーヤーとしての目線も持つホール店長はどのように見ているのか。都内マルハンの旗艦店ともいえる「新宿東宝ビル店」を切り盛りする山田店長に話を聞いた。 

朝から晩まで遊技することも厭わないほどのヘビーユーザーでもある山田店長。「プレイヤーとしては、パチスロの方を打つので…(笑)」と言いながらも「遊タイム」に関して真剣に話をしてくれた。

 


遊タイムが必要か否かを決めるのはユーザー

「自分も遊タイムのアンケートは答えさせていただきましたが、個人的には(遊タイムが必要か不必要かは)『どちらともいえない』と思っています」

こう話してくれたのは本誌174号の「PiDEAな男」にも登場してくれたマルハン新宿東宝ビル店の山田店長(※取材当時はマルハン亀有店店長)だ。いまは都内旗艦店といえる「マルハン新宿東宝ビル店」の店長として激戦区の現場を任せられている。

今回の遊タイム論争を締めくくるにあたり、現場を知り、遊技機にも精通している山田店長が最適任だと考え、インタビューを依頼した。

そんな山田店長の「遊タイムが必要か不必要か」の問いに対する答えは「どちらともいえない」だという。その理由を聞いた。

「ホール関係者の間で『遊タイムはあった方が良い』とか『必要ない』と話が盛り上がっているのは知っていますが、遊タイム機を作ったのは我々じゃありません。メーカーさんが意図を持って作った機械です。その機械をお客さまに届けるための橋渡しが我々の役目なので、遊タイムのことを必要か不必要かを決めるのは少し違和感があります。お客さまが欲していれば必要ですし、いらないと思うならば廃れていく。そういうものだと思います。決めるのはあくまでお客さま。だからホールの立場でいえば『どちらともいえない』となるのではないでしょうか」

ホール関係者は遊タイムの是非を論じる立場にはないという山田店長。しかし「夜の稼働低下」や「ラムクリの是非」など、ホール関係者にとっても見過ごせない問題が出ているのも事実。どのように感じているのだろうか。

「まず夜の稼働低下を問題視されていますが、特にミドルスペック機で低下していると言われてます。これが困るというのであれば、(ミドルは)導入しなければ良いだけではないでしょうか。夜の稼働が落ちるから遊タイム自体必要ないというのは少し偏った意見かなと思います。もうひとつ、ラムクリをするとかしないとかという話ですが、これもお店ごとに判断すれば良いだけの話かと思います。ラムクリをしないことで、朝の稼働があがりプラスだと判断できるならば、しなければ良いですし、遊タイム狙いのユーザーが多く集まって、一般のお客さまが減って困るということであれば、ラムクリをすれば良い。お店によって来店されるお客さまの層が違いますので、お客さま層に見合った運用ができれば良いだけと思います」

設置台数や立地、エリアなど、来店ユーザーの割合や属性が店舗により異なる中において、一律の物差しで「遊タイム」の是非を論じ合うことがナンセンスだと山田店長は語る。


遊タイムの有無よりもユーザーは千円S重視

「遊タイム搭載機は非搭載機にくらべて辛い。だからいらない」という否定的意見がユーザーからもあがっているが、そういう意見に対してはどう感じているのか。「結局、お客さまが遊びやすいと感じられれば、遊タイムがあろうがなかろうがそんなに気にしないと思います。一部の遊タイム狙いのユーザーは違うと思いますが、大多数のお客さまは1000円でどれだけ遊べるかを一番気にされています。出玉の性能的には遊タイム非搭載の方が高くできるとは思いますが、大きくは変わらないですよね。「超韋駄天」が人気なのは遊タイムがついてないからだけではなく、遊びやすくなっているからという要因もあると思います。一部メーカーさんの遊タイム搭載機は甘すぎて使いづらかった。そういう機種があったから『遊タイムは辛い』という話が広がったのだと思います。結局はスペックやコンテンツというところも大きいと思います。遊タイムの有無だけで良いか悪いか決まらないのではないでしょうか」

ユーザーが「辛い」と感じるから遊タイムに対してネガティブになるのはホールの使い方次第だという山田店長。実際に遊タイム搭載の「北斗無双3章」と似たようなスペックながら非搭載「コードギアス反逆のルルーシュ」の運用に関してはこう話す。

「世の中的には非搭載の『コードギアス』の方が長持ちして、『北斗無双3章』の方が短命だったと言われております。しかし亀有店では『北斗無双3章』が世の中で言われている稼働貢献期間よりはだいぶ長持ちしたと思っています。結局はお客さま層に合っているのかと、使い方で変わる部分は大きいと思います」


機械と向き合う前にユーザーと向き合うべき

今回の遊タイム論争に関して最後に総括してもらった。

「パチンコ業界は装置産業ですけど、機械がすべてではないと思っています。辛い運用で利益だけをとればいいわけではなく、稼働が落ちてきた時にどうするのかが重要だと思います。遊タイムの是非を論じることを否定はしませんが、機械と向き合う前にお客さまと向き合うべきだと思うのです。繰り返しになりますが、『遊タイム』を欲しているお客さまがいるならば、導入すれば良いと思いますし、いなければ導入しなければよいのではないでしょうか。結局ホール運営のすべての答えは、お客さまが決めるものだと私は思っています」

遊タイムの是非は個々の店舗が判断すれば良いだけで「機械と向き合う前にユーザーと向き合うべき」と話す山田店長。プレーヤーとしてみるならば「個人的に遊タイムは必要」だと感じていると話してくれた。

導入から1年が経ち業界内で「遊タイム」の是非は大きく盛り上がってきたが、それだけ注目されている機能でもあるのだろう。今後、どんな遊タイム搭載機種がリリースされ、流行るのかまだ分からないが「ライトミドルならば必要」という意見もあるように、現状は一定のニーズがあるのは事実。全国のパチンコユーザーが「遊タイム」を今後も望むのか望まないのか。注目していきたい。


取材協力店舗

マルハン新宿東宝ビル店

住所:東京都新宿区歌舞伎町1-19-1
新宿東宝ビル2F
西武新宿駅より徒歩3分、JR新宿駅より9分
導入台数:パチンコ 668台/パチスロ492台

 

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