6月2日、日本遊技機工業組合(日工組)は都内のグランドアーク半蔵門で通常総会を開催。任期満了に伴う役員改選で榎本善紀氏を新理事長に選任した。
榎本新理事長は就任のあいさつで「業界全体が非常に厳しい経営環境におかれている現状を打開し、現実的にビジネスが成り立ち、商売自体を立て直すことが使命であると思っている。そのために安心して楽しめるパチンコ・パチスロの遊技機の性能向上を図るとともに、業界全体の活性化と集客力アップに取り組んでいきたい。魅力ある遊技機なくしてお客様を呼ぶことはできないが、それだけでどうにかなる時代ではない。ホール団体様と手を取り合いながら、業界全体で効果的、実効的な広報宣伝に取り組み、ファンの皆様にホールに足を運んでもらえるような活動にも注力していきたい」と語った。
総会議案の令和2年度事業報告ではパチンコ遊技機の型式試験については、当期の申請数は989件(うち令和3年3月末現在適合機種318件)で、前期と比べ1件の微減。また、回胴式遊技機の型式試験については、当期の申請数は305件(うち令和3年3月末現在適合機種38件)で、前期に比べ10件の微増となったことが報告された。
また、組合証紙および製造番号票の発給については当期のパチンコ遊技機の証紙発行枚数は約92万枚(遊技盤約42万枚を含む)で、前期に比べ約70%、約40万枚の減少となったことを報告。これについて「近年、低い水準で推移している中にあって、これほど多く減少となり極めて厳しい状況となったことは、新型コロナウイルスによる影響でホール営業や遊技機販売に支障があったことが最大の要因。また、ファン人口や売上の減少、遊技機などの導入コストの増大などにより厳しい経営環境が続いていることなど、従来から業界がかかえるさまざまな問題や、旧規則機の撤去問題において新機種の供給は十分とは言えないものの、計画的に撤去が進まず、旧規則機が市場の多くを維持する傾向があった」と分析した。
一方、回胴式遊技機の証紙発行枚数は約16万枚で、前期に比べ約11万枚の減少。回胴式遊技機は、従来からの取り組みである高射幸性遊技機の撤去促進が求められる中、型式試験申請の適合率が極めて低い状態が続いており、入替需要において十分対応できていない状況もあり、適合率向上に向けた施策や自主規制措置の緩和など日本電動式遊技機工業協同組合と改善に向けた検討を行うととに、ゲーム性向上による市場性ある回胴式遊技機提供に向けて施策を進めた」と報告した。
令和3年度事業計画では、重点施策として「新型コロナウイルスの感染防止対策徹底」「型式試験の適合率向上と遊技機の供給体制を整備」「依存問題対策の施策推進」「管理遊技機、メダルレス遊技機の市場導入に向けた施策推進」など12項目を掲げた。このうち管理遊技機については、「今年度の市場導入に向けて日本電動式遊技機工業協同組合とともに進めるメダルレス遊技機と歩調を合わせ、全国遊技機組合連合会に加盟の力ードユニット関連団体や周辺機器団体との連携を図り、具体的に導入に際しての情報を共有して問題点が整理され、周辺環境が概ね整っている」とし、「引き続き関係団体と詳細を確認するとともに、製造や販売にあたっての周辺環境を整備し、遊技機管理センタの運用などのインフラを整えていく」と報告した。
【選任された役員】(敬称略)
代表理事・理事長 榎本善紀(昇任)
副理事長 盧 昇(昇任)
副理事長 嶺井勝也
副理事長 星野 歩(昇任)
専務理事 木岡保雅
理事・事務局長 中川尚也
理事 梅村尚孝
理事(会計担当) 安藤 昇(新任)
理事 石原明彦(新任)
理事 今山武成(新任)
理事 新井宏明(新任)
理事(技術担当) 渡辺圭市
監事 内ヶ島吉則(新任)