運営する「新文芸坐」が日本映画批評家大賞・特別賞を受賞/マルハン

2021.06.02 / ホール

株式会社マルハンは運営する映画館「新文芸坐」が、第30回日本映画批評家大賞の特別賞を受賞したことを発表した。

1956年に開館し、1997年に閉館となった池袋の映画館「文芸坐」が、2000年、跡地に再建されたマルハン池袋ビル内に再オープンしたのがこの「新文芸坐」である。2000年以降は株式会社マルハンが経営を行っている。

 

日本映画批評家大賞 授賞のコメント(抜粋)

驚くべきはその上映作品の数。新型コロナウィルスの影響をもろに受けた去年を除けば、毎年700本以上の作品を上映。大型のシネコンでもとてもこれだけの本数をこなすことはない。それをたった一館で達成している。出演者、監督を招いての多彩なトークショーも目玉の一つ。ユニークなところではどんなに声を出して騒いでも構わないという「応援上映」も好評を博している。

人世坐、文芸坐から引き継いで、独自の視点による番組編成で、「街の中の映画学校」と評価され、今も多くの映画ファン、映画人を育て、映画の普及と発展に大いに貢献した新文芸坐は、池袋のストリップ劇場とソープランドにはさまれ、文化の薫りを振りまいている。こんな映画館がいつまでもこの国に存在しつづけることを心から願って止まない。(島 敏光)

全文:第30回日本映画批評家大賞サイト

 

受賞コメント(新文芸坐マネージャー 関口芳雄)

関口芳雄マネージャー

 

この度は、日本映画批評家大賞・特別賞に選出いただき誠にありがとうございます。3度目となる緊急事態宣言を受け、都内のシネコンは軒並み休業となりました。ミニシアターや名画座は休業要請の対象外であったものの、新作の延期や動員の減少などにより依然厳しい状況が続いています。そんな中、私たちが営業を続けるのは「映画はスクリーンで観るもの」「生きるために映画が必要」という映画ファンのお客様にとって、名画座やミニシアターは最後の砦であり、私たちがコロナ禍で果たすべき役割だという考えからです。感染防止対策を万全にしながら、お客様一人ひとりの期待に応え、今後も数少ない名画座の一つとして日本映画界に貢献していきたいと思います。

 

マルハンはプレスリリースを通じて、「当社は今後も、映画をはじめとする様々なエンターテイメントを通じてお客様の期待に応え、皆様の人生にヨロコビを提供し続けたいと考えています」と発表した。

 

旧・文芸坐 外観

 

マルハン, 新文芸坐