PiDEA編集部のゆとり世代新人が業界専門のキャリア面談を受けてみた

2021.04.12 / コラム

読者の皆様こんにちは。PiDEA編集部の新人社員、當山です。休みの日は、もっぱら読書と昼寝と飲酒とYouTubeを見て過ごしています。

突然ですが、実は僕東大出身だったりします。文章を書くことが好きというだけでPiDEAに入社してしまったのですが、もう1年が経ちました。周りの先輩たちも「東大イジリ」はさすがにしなくなってきました(笑)。

なんとなく仕事を覚え要領もつかんできて、それなりに満たされてはいる感じです。ただ、自分で言うのもなんですが、このキャリアってもっと上、目指せるんじゃないかなと。とはいえ、僕も1社目がこの会社です。さらに26歳という絶妙な年齢に差し掛かってきていて、今転職するのが正しいのかは全然分からなかったりします。

 

そこで、転職サービスを運営している会社に、「取材」という口実を使って自分の相談をしてみようと思いつきました。仕事をしながらの転職活動は大変だと聞きますが、こうすれば勤務時間中にできて効率がいい。まさに名案ですね! 

早速、最近よく取材などをさせてもらっていて顔なじみのパック・エックスさんに電話してみました。「実際に転職希望者を担当している方に取材とかできないですかねぇ」。そしたらなんと、「アドバイザーの時間が今ちょうど空いている」とのお返事。というわけで……、


パック・エックスの本社を訪ねてみた 

パック・エックス本社。おしゃれなイタリア料理屋さんが目印

 

本来は転職支援サイトの「パチンコキャリア転職」に登録してから、アドバイザーとの面談となりますが、今回は取材ということでいきなり乗り込みます。

 

で、今回相談にのっていただく方がコチラ。 

 

「こんにちは〜。本日はお忙しい中お越しいただきましてありがとうございます」

 

マスク越しでも優しそうな雰囲気が伝わる竹中慎司さんです。竹中さんは、大阪支店長代理 兼 西日本シニアコンサルタントという肩書きのエリートアドバイザーのようで、国家資格のキャリアコンサルタント持ちです。キラキラして見える!

 

一方、その時の僕はというと……。

どうみても不審者です!ありがとうございました!

 

やってしまいました。突然決まった取材だったので、二日酔いのいつもの感じで向かってしまいました。僕が人事担当者だったら、こいつは落とします。面接するまでもなくお帰りいただくかもしれません。

しかも、パック・エックスさんは人材紹介サービスを営む会社です。こんな、「人材」とはとても言えないようなやつが来てしまったら、さすがに門前払いされるのでは……。

 


和やかな雰囲気で面談がスタート

竹中さん「本日は、転職のご相談、ということですよね? 具体的な希望の条件などは」

よかった! 大人の対応をしてくれました。こちらも、業界誌記者として恥ずかしくない「取材」をして、第一印象の挽回を図りたいところです。

當山「ええっと。こちらから押しかけてしまった上でこう言うのも恐縮なのですが、実はこういった面談自体初めてで、何をしゃべればいいのかまったく分かっていません。なんとなく、僕にも他の会社で働く道ってあるのかな、とか思っちゃったり? というか、転職って、そもそも何なんですか?」

 

竹中さん「なるほど。ひょっとしてまだ、転職活動だったり、自分の転職先について、イメージがつかめていないままここに来ちゃった、ということですか?」

當山「そうなんです! 実は正直な話をすると、転職をしたいというところまで考えが固まっていないんですよ。自分の話を聞いてもらった上で、なんとなく、他の道だったり、どういう可能性があるかを知りたかったというか。こういうのって迷惑ですよね。申し訳ござません!」

……やってしまいました。思いつきで始めた取材なので、何しに来たのかよく分からない人になってしまいました。さすがに怒られるかな、と思いつつ、竹中さんの表情を伺ってみると……、

 

煮え切らない當山に優しく対応してくれる竹中さん。良かったぁ〜

 

竹中さん「全然大丈夫です!(笑)。むしろ、『転職するぞ!』と心に決めていらっしゃる方って実はそんなに多くないんです。ぼんやりした悩みでもいいので、へんに緊張せず、気楽な気持ちでご相談いただければ、こちらとしても力になれることもあるかと思います。

そうですね、それでは、今の会社ではどのくらいの間どのようなお仕事をされていましたか?」

當山「あ、それなら答えられます! 社会人経験1年目です。今働いているPiDEA編集部では、全国のパチンコホールにお邪魔してお話を聞いて、それを業界向けの記事にする、というふうな仕事をしてきました」

竹中さん「なるほどなるほど。インタビューを記事にして、業界内の読者に発信するということですね。そういう中で1年間働かれて、他の道を考えるようになった背景やきっかけはどういうところにあるんでしょうか」

當山「そうですね。仕事柄いろいろなパチンコホールでお話を聞くんですけど、研修制度とか、評価の制度とかがしっかりしている法人様って結構多いなと思いまして。あとは福利厚生とかもそうですよね。他にも……」

 

原稿に載せられないようなガチな質問もしてしまう當山

 

竹中さん「なるほど、當山さんの状況はなんとなく分かりました。ちなみに、今お話しいただいたキャリアアップ制度や労務環境について、具体的にどういう条件や項目を求めている、というのはございますか? 例えば、お話を伺ったホールさんでこういうのが良かったとか」

當山「それも具体的にはなくて……。取材中に細かいことを自分の興味で突っ込んで聞いてしまうわけにもいかないんで、外から見た印象とか、雰囲気で判断してしまっているところもあるかもしれません」

竹中さん「では最後に1つ確認します。1年間お仕事した中で當山さんご自身のやりがいというか、満足感というのはありますか?」

當山「パチンコ業界も、ものを書く仕事というのも自分には合っているのかなと感じていて、やりがいはあります」

 

転職活動と転職はまったく別物だった

竹中さん「そうなるとやはり、今の當山さんがするべきことは転職先を見つけることではなく、まずは『情報収集』かなと思います」

當山「えっ!? 情報収集……ですか」

竹中さん「はい。ご相談内容をまとめさせていただくと、今お持ちのぼんやりとした悩みを明確化していく必要があるかなと思います」

當山「やっぱりそうですよね……」

竹中さん「落ち込まれる必要はないですよ(笑)。まずは、ご自身のご友人だったり、職場の方であったり、インターネットでもなんでも構いませんから、周りに頼ったりして情報収集をしつつ、自社と他社の違いを可視化していったり、その上で自分の強みやキャリアプラン、こうなりたいという着地点を見つけていく、というのが起こすべきアクションです」

當山「なるほど」

竹中さん「ただ、なかなか周りの人には聞きづらかったり、そもそもどういうところを明確にするべきかも曖昧だったりするケースもありますよね。そういう時こそ、私どもがお手伝いできるタイミングかなと」

當山「えぇと、今回は取材を兼ねて、ということもあって、悩みが不明瞭なまま来てしまいましたが、そういう感じでも全然アリということですか?」

竹中さん「そうです。実際にカウンセリングにいらっしゃる方にも、例えばホールの副主任・主任クラスであれば、自分のなりたいキャリア像や転職先に求める条件などが、まだそれほど明確ではない方は多いです。そういった若い方にアドバイスをするときに必ず伝えていることがあるのですが、それは、『転職活動と転職はまったく別物』ということです」

當山「転職活動と転職はまったく別物? どういうことですか」

竹中さん「必ずしも『転職』というはっきりした目的がなくても、他の会社を知って、ときには実際に他の会社の人に会って話を聞いてみる。他の会社ではどういう発想や考え方をしているのかが分かる。それを踏まえて自社や自分の現状を振り返ってみることが重要なんです」

當山「なるほど、転職活動そのものが、情報収集だったり、自分のもやっとした悩みを見つめ直す手助けになるということなんですね」

竹中さん「みなさんこういった面談の場に来ると、『すぐに転職をしなきゃいけないのかな』と思いがちですが、でも実はそんなことはないんですよ。

実際に、ある大手ホール会社の店長クラスの方のお手伝いをさせていただいた時は、10社くらいのオーナーさんと話をして、結局、納得して自分の会社に残ったということがありました。新たな会社に旅立つにせよ自分の会社でキャリアを続けるにせよ、転職活動というプロセスを踏んでいろんな価値観と出会い、その上で判断をするというのが『納得』につながるんじゃないかと思います」

當山「そういうことですか。なんというか、分からなかったことが分かったというか、少なくとも今自分がすべきことがなんなのかは分かりました」

竹中さん「転職ありきということではないですからね。その上で、當山さんがもし転職したいなと思った際にはまたその先のお手伝いもできると思います」

當山「非常に参考になりました! ありがとうございます! 早速今日から(上司にバレないように)情報収集を頑張っていきます!」

 

 

 

 

???「竹中さん、あの〜ちょっとよろしいでしょうか?」 

取材に同行していたPiDEA編集部コガワ「當山の先輩なんですが、ちょっと僕も相談いいですか?」

コガワ「あのですね、僕も22歳くらいに入社して気付いたらもう40歳手前です。取材でたくさんのホール企業さんを見てきて、これなら入社してもいいっていうか、メチャクチャ良い待遇でむしろ羨ましいなと思うところもあります。ホールで働いた経験はないのですが、こんな僕でもパチンコホール企業に転職することってできますか?」

竹中さん「できるかできないかで言えばできます。業界で言うとコガワさんの年齢は店長クラスです。この年で未経験だとしたら一からキャリアを積まなきゃいけないと思います。下積みから始める覚悟があるかどうか……」

コガワ「40歳手前にして下積みから始めるのもやぶさかではないのですが、可能であれば本社勤務で。編集という経験も生かしたいので、例えば広報とかで採用されるとありがたいのですが、そういうポジションでの転職って可能なんですかね」

竹中さん「そういった部署はあるので、これまでの編集というキャリアを生かして求人はあると思います」

 

コガワ「………………………………本当ですか? 竹中さん優しそうなので甘い言葉をかけられているような気がするんですよ。厳しいなら厳しいでハッキリ現実を見せて欲しいです」

竹中さん「正直なところ現場即戦力の求人に比べるとどうしても数は少ないので転職活動は長期化するかもしれません」

コガワ「ホール現場の求人数と比較して数が少ないことはなんとなく覚悟しているのですが、大体どれくらい違いそうですか。1対10くらい?」

竹中さん「あくまで体感的にですが、30社受けた中で1社あるかないかというレベルになるかと思います」

コガワ「(ガーン)そんなに少ない!? じゃあ僕みたいな中年はどうすればいいんですか!?」 

竹中さん「……(笑)。1年は見ておいた方がいいかもしれません。アドバイスとしては、なかなかうまくいかない時でも気落ちせずに、モチベーションを保っていかないと精神的にしんどくなってしまうかもしれません」

コガワ「転職するにも時間がかかりそうだ……」

竹中さん「ただですね、コガワさんのような方の場合というか、店長クラスの転職となると、企業の求人を探して当たっていくというより、我々が直接ホール企業さまに提案をしてポストをつくっていくということもあります」

コガワ「え、僕のマネジメントを? そこまでしてくれるんですか!?」

竹中さん「やりますやります。求人ありきの転職というより、その人個人の強みをもとに提案をしていく感じです。例えば、編集経験があるので社内報も作れる、WEBのマーケティングができる、Twitterの運用もできる、みたいなストロングポイントがあれば、『ちょうどそういう人材欲しかったんだよね』となることもあります。あとは当事者同士の交渉になりますが条件面で折り合いがつけば晴れて採用となるわけです」

コガワ「現実的に厳しい部分も見えましたし、逆にまったく希望がないかというとそうでもなさそうな気がしました。ありがとうございます。全国のホールさん、一生懸命社内報作りますので、こんな僕ですが、もし良かったら拾ってください。よろしくお願いします」 

當山「……上司の見たくない姿を見てしまった」

 

 


取材を終えて

ご覧いただいたとおり、転職相談としてはグダグダな結果になってしまいましたが、それでも、キャリアコンサルタントの竹中さんが話をまとめてくれて、なんとか形になりました。

僕の例は極端かもしれませんが、確固とした「転職したいビジョン」がなくても、もし今のキャリアに不安があるのなら、プロの人に話を聞いてもらえば自分の置かれている状況を見つめなおすことができるので、それもいいアクションなのかもしれません。

「なーんか自分のキャリアってこれでいいんだろうか?」

と漠然と不安を感じている若い方は、自分が恵まれているのか、不遇なのか知ることができるので、ぜひ相談を検討してみてはいかがでしょうか?

 

僕自身、今自分がするべきこと、そして、『転職活動』そのものへの向き合い方が変わりました。なんというか、目の前のモヤが晴れたような気分です。さっそく、今日から情報収集を始めていきたいと思います。この記事が公開される頃には僕はもうこの会社にはいないかもしれませんので、探さないでください。

 

取材協力: 

株式会社パック・エックス 大阪支店長代理兼西日本エリアコンサルタント 竹中慎司さん

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