ギャンブル化によって我が世の春を謳歌してきたが、コロナ禍はギャンブルから本来の娯楽へ戻るための転換期を否応なしに業界に迫っている。
メーカーが頭を悩ませているのが6号機の処遇である。
「6号機はベースが高くそれまでの35回ぐらいから50回は回せるようになった。お客さんには初期投資が少なくて済むが、純増枚数が緩和されても、ベースが高い分出せない。一撃性を演出できないのでバランスの悪い機械しか作れない。ベースが高いので設定を入れて出ても困るので、ホールは設定を入れない。6号機の入れ替え需要が一巡したらメーカーは終わってしまう」(スロットメーカー関係者)
射幸性を削がれた6号機では、一定層の専業はスロットから足を洗うものと思われている。ジャグラーのようなAタイプは生き残るだろうが、そうなればスロットの市場規模は相当縮小される。
それならホールはスロット島を縮小して、パチンコ島を増台するのがこれまでの流れだったが、コロナ禍はその流れにも待ったをかけている。
財務基盤がしっかりしている大手でさえも今回ばかりは、パチンコ島を増やすことに躊躇している。
パチンコ島を増台したところで、パチンコの増台分がスロットから離れた客の受け皿になるかどうかを考えたら答えは「否」だった。スロット島を潰してパチンコ島を増やすだけでも工事代がかかる。その工事代も経費削減時代には待ったをかけてしまう。
昨年の緊急事態宣言が解除されて後でも客の戻りが悪いホールが全国各地に散見される。その中には首都圏の駅前でダントツの地域一番店を誇っていた老舗も例外ではなかった。
夕方7時ごろからは会社帰りのサラリーマン客で賑わっていたのに、去年6月ごろから夜の稼働が全く伸びなくなった。夜のピーク時に賑わいを見せていたバラエティーコーナーも閑散としている。夜のサラリーマン客が消えてしまった。
原因はダントツの一番店が回らなくなったことだった。常連客はその辺は敏感だ。
「今まで1万円は使っていいと思いながら打っていたけど、最近は本当に回らないので、5000円ぐらい打って止めて帰る客が増えた。粘る客がいなくなった結果、誰もいなくなったよ」
ダントツの地域一番店に何が起こったのか? 地域紙記者が明かす。
「一つは相続税ですね。代々大地主なんですが、10年ほど前も相続税が払えず、土地を物納しています。去年も二度目の物納をしていますね。手許現金が必要になって釘が閉まったんでしょうね」と分析する。
ダントツ地域一番店の客はどこへ行ったかというと、会社帰りのサラリーマンの中には一駅先の地域一番店へ移動している。
一駅離れた地域一番店はコロナ禍にも関わらず、移動してきたサラリーマン客らで賑わっている。
やはり、店選びのポイントは回るかどうかだ。
「お客さんが多い日はやっぱり回しています。そういう時は夜行っても回る台が拾える。お客さんが少ない日やはり回る台が少ないですが、関東であったファン感の日は出していました」(地元客)
スロット6号機の売り上げを補うのはパチンコしなかないわけだが、受け皿となるパチンコを粗利重視ではなく、薄利多売の稼働重視で運用するしかない。そんなことは言われなくても分かっていることだが、ダントツ地域一番店から客が消えるのにさほどの時間はかからなかった。
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