560台スロ専で新たな門出。カツヨシ商事の挑戦の真意は?/メルヘンワールド

2020.12.21 / ホール

パチンコ業界関係者であれば、100人中100人が今はパチスロよりもパチンコの時代と考えるだろう。あまり不確かなことは書くべきではないが、それくらいの性能差は業績などのデータから感じている人も多いのではないだろうか。

仙台市に本拠を構えパチンコ店16店舗を経営するカツヨシ商事は、2018年5月に関東の某大手法人から埼玉県の羽生店をM&Aし、同年9月にオープンさせた。元々は総設置台数720台のPS併設店として運営していたが、台数を圧縮させつつ島工事を行い、11月21日にパチスロ560台の専門店としてリニューアルオープンした。

貸しメダルは1000円46枚貸しの20円を中心に、1000円160枚貸しの6.25円スロ、1000円450枚貸しの2円スロの3レートを展開。約1km離れた場所にある低貸し専門の「ダイナム埼玉羽生店 ゆったり館」に対抗する形だ。

 

台数以外は、内装変更が主なリニューアルポイント。店内はパチスロ専門店らしく照度が低めになっている

 

なぜこの時期にパチスロ専門なのか。しかも560台は全国的に見てもなかなかの規模だ。同店マネージャーの水野英隆氏とブロック長補佐としてエリアを束ねる小幡光生氏に単刀直入に聞いた。この決断は茨の道ではないのかと。

「よく聞かれるのですが、当店のリニューアルは本来はもっと早くから検討していたことなんです。リニューアル前からパチスロの増台は繰り返してきていて、それが機械がないことで先延ばしになっていたんです」(小幡氏)

実は羽生店のリニューアルには、2020年9月にグランドオープンした足利店の成功が大きく関連している。足利店も2020年9月に前述した関東某大手法人からM&Aした店舗で、併設店を560台のパチスロ専門店としてグランドオープンさせた。この足利店が一定の成功を納め、「メルヘンワールド=パチスロ」というブランディングをつなげていくためという狙いがある。

また、羽生市の客層としてパチンコ客よりもパチスロの流動客が多いため、PS併設店だった時代からパチスロの売上・粗利が中心の店舗であった。これは同店だけの特徴ではなく、エリア全体にも言えることだという。そうしたさまざまな要素を見越して今回の決断となったわけだ。

オープンから約2週間が経過した現在の稼働は30%ほど。課題はある。稼働も決して多い数値ではないが、曰く「店舗を成り立たせていく上では十分。まだまだこれからの展開も考えている」ため、現時点で成否を問うには時期尚早なのかもしれない。楽観的ではないが、悲観的でもないようだ。

 

リニューアルオープン当日は、マイジャグラーを中心に高稼働

 

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