新国家公安委員長、小此木八郎とはどのような人物か?

2020.09.17 / 組合・行政

菅新内閣が発足し、新しい国家公安委員長には小此木八郎氏が任命された。では、この小此木八郎というのはどのような人物なのだろうか? 4つのポイントから解説していきたい。

1.政治家として
新内閣総理大臣となった〝たたき上げ〟の菅氏とは異なり、祖父小此木歌治、父小此木彦三郎と衆議院議員を務めてきた政治家一家の生まれである。ちなみに地盤としているのは同じ横浜市で、選挙区は隣同士である。衆議院議員に8回当選しており、2017年から2018年にかけておよそ1年間、安倍内閣の元で同じく国家公安委員長を務めた。

2.菅氏との関係性
生地である秋田県から上京し、政治家を志した菅総理が秘書として弟子入りしたのが、小此木八郎氏の父親である小此木彦三郎議員だった。自民党総裁選では小此木八郎氏は菅義偉氏の選挙対策委員長を勤めた。
「週刊新潮」9月17日号によると、菅総理が今回小此木八郎氏を入閣させたのは小此木彦三郎氏に対する「恩義を忘れない」というアピールの側面もあるが、裏を返せばこれまで小此木八郎氏をほとんどバックアップしてこなかったということでもある、との見方を示している。

3.国家公安委員長と遊技業界
遊技業界を監督する警察庁をその傘下におき、警察行政が適切に行われるように管理するのが国家公安委員会であるが、同時に警察行政の行き過ぎから個人の自由と権利を守ることも主要な任務としている。
この国家公安委員会の長を務めるのが国家公安委員長であり、国会で遊技業に関わる議論が行われるときに答弁に立つ。「〜委員長」とついているが、法律上は財務大臣や外務大臣などと同格の「国務大臣」であり、諸外国における「内務大臣」に対応する役職だ。

4.政治的立ち位置
2017年衆議院銀選挙の際に毎日新聞が候補者に向けて行ったアンケートによると、以下のような政治的意見を持っているようだ。
消費税10%への引き上げ:賛成
原発は日本に必要かどうか:必要
カジノ解禁には?:賛成
「森友学園」「加計学園」について:無回答

また、パチンコに関しては国家公安委員長を以前勤めていた2018年2月に、「ぱちんこ営業は現金または有価証券を景品として提供していないので、賭博罪には当たらない」と、前例を踏襲した答弁を行っていた。

新内閣と新国家公安委員長の就任を受けて、パチンコ業界はどう変わっていくのか、あるいはなにも変わらないのか。これからの動向を注視していかなければならない。

 

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