〝二階派〟谷公一氏の国家公安委員長就任は業界の追い風になるか?

2022.08.19 / 組合・行政

去る8月10日、第二次岸田改造内閣がスタートした。安倍元総理の銃撃を受け7月の参院選は大勝したものの、次々と明るみになる閣僚と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の関係により国民感情は悪化。岸田総理は急ぎ内閣改造を行った。

19閣僚中14名を入れ替える異例の改造となったが、主なテーマが〝統一教会ハズシ〟であることは疑いない。悪徳商法で社会問題化したカルトと、日本国憲法で保障された信教の自由にどう折り合いをつけるかは、今後大きな政治テーマとなっていくだろう。

銃撃事件は警察関係者の目の前で発生しており、警察庁の動揺は我々の想像以上だったようだ。これまで法学部出身者や弁護士が多かった法務大臣のポストに、元警察官僚の葉梨康弘氏が就任したことで、現場から法務行政まで一気通貫した対策が期待できるようになった。

 

そんな警察行政のトップに立つ国家公安委員長は、すでに政界引退を決めていた二之湯智氏から交代。兵庫5区選出の衆院議員・谷公一氏が新たな委員長に就任した。自民党入閣待機組の一人で、悲願の大臣ポストを70歳にして射止めた格好だ。


谷氏とはどんな人物か?

谷氏はたばこ議連の幹部を務める愛煙家で、70歳と高齢の二世議員でもあり、かの木村義雄氏を思い起こす人も多いだろう。しかし、谷氏が木村氏と大きく異なるのは、情報発信の姿勢だ。谷氏はアメーバブログを2005年3月から17年半にもわたり更新し続け、記事数は驚きの2655本(8月15日現在)。月10本ペースで安定しており、その真面目さがうかがえる。

言うまでもなくパチンコホールの所管は警察庁。国家公安委員長の抱く、業界に対する心証は極めて重要だ。媚びを売る必要はないが、我々の社会貢献をアピールすることはできよう。谷氏は父の地盤を引き継ぐ前は兵庫県職員であり、阪神淡路大震災後は県の防災担当として最前線で戦った。その経歴を生かし、東日本大震災では衆議院の復興特別委員長を務めた。パチンコ業界も東日本大震災以降、多くのホールで災害備蓄の拡充に努め、災害時にはトイレの貸出やスマホの充電で地域に貢献している。これを伝えることはできないだろうか。

また、谷氏は福祉作業所の設備更新に尽力してきた。パチンコホールも地域の福祉作業所から景品を仕入れたり、社会福祉協議会を通じて資金援助を行ったりしている。これも好意的に受け止めてもらえるだろう。

繰り返すが、媚を売る必要はない。しかし、族議員がいなくても政治活動はできる。幸い、政治連盟のトップは全日遊連の阿部氏だ。業と政治に壁がなく、全国のホール情報を遅滞なく活用できる。谷氏は〝二階派〟であり、パチンコ業界の頑張りを知っているとも聞く。政界におけるパチンコ業界のプレゼンスを高めるべく、谷氏の国家公安委員長就任を良いきっかけとして、政治連盟が鋭く動くことを期待したい。

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