加熱式タバコ 店長が知っておくべき7つのポイント【第3回】

2020.07.22 / ホール

パチンコホールにおける加熱式タバコ喫煙可能エリア(以下、「加熱式エリア」)の設置に際する「7つのポイント」についての第3回(最終回)。

第1回ではマーケティングと改正法の話を、第2回では法律の解釈があいまいな部分についての話をしたが、今回は「7つのポイント」の最後の2つについて解説する。 

 


ポイント⑥
解釈は自己責任

前稿で書いたように改正健康増進法においては、加熱式エリアの設置に関していくつか解釈が定まっていない個所がある。その点をどう解釈するのか、具体的に言えば文面を四角四面で受け取るのか限界まで拡大して解釈するのかは、詰まるところ自由である。

大事なことは「誰々が言っていたからセーフ」、「みんながやっているから大丈夫」という判断だけはしないで欲しいということだ。
現時点において法解釈の幅は広い。また地域による差異もある。解釈の範囲のセーフティな部分だけを抜き出し加熱式エリアを設置するのであれば何も問題がないであろうが、もしその法解釈のセーフティゾーンを逸脱した場合、例えば行政から、例えば業界組合から、指摘や苦情などの進言を受ける可能性が高い。

その一つひとつの問いに、自社、自店、自身なりの、法に対する理解と解釈を持って、堂々と説明し相手を論破することができるのか。できなければ、無理に法解釈の幅を広げてはいけない。
安易な速断が、後に深刻な事態を招きかねない。これでもかと思うくらいに、まずは多角的な情報収集を優先するべきだ。

 

ポイント⑦
リスクマネジメント

加熱式エリアの設置は、あくまで経過措置である。状況によっては長く設置できる可能性もあるが、まかり間違えば3年から5年程度で認められなくなる可能性もある。過度な設備投資は控えるのも一考の価値がある。

また法律を拡大解釈し加熱式エリアを広く設けたものの、法解釈が仮に「50%未満」、「30%未満」など、具体的な数字を伴って後付けで決められる場合も想定しておくべきだ。
仮に80%のエリアを加熱式エリアとし壁を新たに作ったとしよう。その後「50%未満」と決められたら、8対2のスペースを反転させるのか、壁を作り直すか、全席禁煙に戻すのかの選択肢しか残されない。

加熱式エリアの設置には、法解釈の明確化のタイミングによって、余分なコストがかかるリスクが伴うことを、始める前から想定しておくべきだ。後になって「聞いてないよ~」と嘆くことだけはしないように。


以上が、加熱式エリア設置に際する7つのポイントである。

この他にも注意すべき点、例えば20歳未満の立ち入り禁止表示の掲示義務や、違反時の罰金規程などの問題もあるが、それらのことについては本稿では言及しない。

加熱式エリアを設置するホールが日ごと増えるなか、違法と適法、モラルと反モラルの境界線を引くのはあいまいな正義ではなく、徹底的に法に基づいた「理」なのだ。

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