加熱式タバコ 店長が知っておくべき7つのポイント【第1回】

2020.07.20 / ホール

2020年4月1日から施行された、改正健康増進法により原則パチンコ店は禁煙化され、遊技客はホール内に設置された喫煙所もしくは駐車場等の屋外での喫煙を余儀なくされた。日本における成人喫煙率が30%を下回るなか、パチンコ店に来店する遊技客の喫煙率は60%前後と言われており、パチンコ店にとって禁煙化の波は稼働や来店客数の低下に直結する大問題であった。

一方、改正健康増進法では加熱式タバコに関しては「指定たばこ」として分類され、その害毒性の有無が明らかになるまでの期間、経過措置として、一定の条件をクリアすればパチンコホール内においても遊技しながらの喫煙が可能になっている。


昨今のコロナ禍により、パチンコ店のみならず全国の禁煙化実施状況などのニュースが話題にのぼらないなか、都心部を中心に、この「加熱式タバコ喫煙可能エリア」(以下「加熱式エリア」)を設けるパチンコ店が急増している。

たばこの吸えるパチンコ店検索サイト「パチモク」によれば、7月17日現在で日本全国240軒のホールにこの加熱式エリアが設置されており、そのうちの92店舗は東京都のホールである。

今回は、8月中旬発行予定の本誌での特集に先駆けて、全国的に加熱式エリア設置の機運が高まるなか、店長が知っておくべき7つのポイントについて3回に分けて解説する。


ポイント①
あなたのホールに加熱式エリアを設置すればお客さんは増えるのか?

まずはマーケティングの話。
加熱式エリアを設置したら稼働が伸びたという話は時々聞くが、自店でも同様に稼働が伸びるのかをまずは熟考すべき。世代別・PS別の客層や喫煙客の加熱式タバコ利用率、店舗周辺の喫煙環境はどうなっているのか、競合店はどのように動くのか。
そのすべてを把握することが肝要だ。

都心部の駅前店舗で接地面の道路も喫煙不可であり、周辺に他の喫煙環境がなければすぐにでも検討を始めるべきであるが、地方のロードサイド店舗が同じ恩恵を受けられるとは限らない。

また店舗構造上、エリア設置のために掛かる費用の算出と償却についても考えなくてはならず、加熱式エリアの設置が果たして本当に有効な手段であるのかは論理的に考えるべきだ。

「加熱式エリアの設置=稼働増」を安易に考えれば煙に巻かれることになりかねない。

 

ポイント②
改正健康増進法を本当に知っているのか?

今回の一件は、国が定めた法律の話である。人づてにだけ聞き安易に判断してはいけない。

必ず改正健康増進法やその解釈運用基準、その他通達や自治体の条例までまずはしっかり把握しよう。と言っても、法律文の読み方は難しく、ネット上でもどう入手すれば良いのか、入手したところでどの部分がホールに該当する部分なのかも分かりにくい。

そういう方はまずは、一般社団法人日本遊技関連事業協会(日遊協)がまとめている「パチンコホール 分煙環境整備マニュアル」およびQ&Aを読み込むことをお勧めする。ここに書かれていることをしっかりと読めば、法律が求めていることや、また実際に設置するまでの手順について理解を得ることが出来る。

自宅で煙草を燻らせながらホットコーヒー片手にじっくりと読み込んで欲しい。


 

次回に続く。

 

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