帰ってきた!Twitterでは言えなかったXXXな話「コスプレ店長 銀星・銀星NEO」

2025.07.15 / ホール

TwitterがXに変わってしまったので、プチタイトル変更。
ホールでSNSを担当する方々に、わざわざ本人が語らなそうなことを、第三者であるPiDEAが根掘り葉掘りする企画。

今回の「言えない話」

SNSこそが、資金力や台数で劣る自店が

大手競合と対等に戦える唯一の手段だと私は考えますね。  

 


このままでは潰れてしまう、という状況で武器となったのはSNS

PiDEA編集部(以下、編):今回は長野県にある銀星・銀星NEOのコスプレ店長こと、神津さんを取材します。よろしくお願いします。

神津(以下、神):長野で1番小さい店の店長をしています。よろしくお願いします。

編:神津さんはXにて「6月6日に稼働率100%達成で店長がバンジー飛びます!」という前代未聞の宣言をして話題に。こちら、結果はいかがでしたでしょうか。

神:無事稼働率100%を達成できました。同時に、この日稼働率日本一と平均差枚数日本一も達成することができました。

編:それはすごい……! Xを見て「店長にバンジーを飛ばせたい!」というお客さんがたくさん来た、ということですもんね。

神:まさにそうです。フォロワーや一般のお客さまをあおって「100%を取るぞ」という流れを作りました。でも、実はこの企画独断で進めていたので、後から社長にめちゃくちゃ怒られました(笑)。結果的に大赤字ですし、「社員がバンジーを飛ぶなんてコンプライアンス的にどうなのか」とも言われたのですが、「長野で一番小さい店が稼働率日本一を取って、その後は……」というストーリーができたので、やってよかったと思っています。

実際の神津さんのポスト。「稼働率100%達成で店長がバンジー飛びます」という衝撃的なポストは大きな話題となった。

編:社長に黙ってバンジージャンプを宣言という攻めた姿勢がすごいですね。そもそも、Xの運用を始められたきっかけや経緯は何だったのでしょうか。

神:運用を始めたのは2020年10月からです。きっかけはコロナ禍でのお客さまの激減でした。当時、銀星はパチスロ専門店で、6号機時代に突入する中でかなり苦戦していました。毎月赤字が続き、正直採算が取れていない状況で、このままでは潰れてしまう可能性もありましたね。お客さまを呼ぶための「武器」が欲しくて、その一つとしてSNSに挑戦してみようと。

編:なるほど。当時の長野県内ではSNS運用をしている競合は少なかったのではないでしょうか。

神:その通りで、うち以外ほとんどなかったんじゃないかな。長野県は比較的保守的な地域性があり、うちの会社もSNS運用には懐疑的で「目立つな」という風潮すらありました。でも私はアグレッシブに動くタイプなので、「怒られてもいいから勝手にやろう」と始めてましたね。SNS運用に限らず、取材やイベントもすべて会社に言わずにスタートして、結果を出すことでだんだん認めてもらえるようになりましたね。

編:開始当初はどのようなスタイルで運用されていたのですか?

神:最初はフォロワーを増やすために、フォロワー数の多いアカウントとの相互フォローを試しました。この方法で1,500人くらいはすぐに増えたのですが、長野のお客さまではなく、他エリアのユーザーが多かったので、集客にはあまり意味がないと感じました。その後は、お客さまにもっと自分を知ってもらおうと、日常のつぶやきを始めてみたのですが、これも反応が薄くて相当悩みましたね、2023年頃までは。

編:ただ、2025年3月頃からインプレッションが大きく伸びているようですね。

神:ありがたいことに、SNS運用に詳しい友人と出会うことができたんです。彼は私のX運用を見て「あれじゃ面白くないよ。集客できない」とズバッと指摘してくれました。彼のアドバイスを素直に実行した結果が今です。

編:まるで魔法使いじゃないですか! 具体的にはどのようなアドバイスだったのでしょうか。

神:まずはブルーバッジをつけました。もちろん会社の許可は出ないので自費で(笑)。それから、ネタは何でもいいから、とにかく毎日投稿する、コメントにはほぼ100%返信し、「いいね」も積極的に行う。これを根気よく続けましたね。こうすることで、XのAIがアカウント間の「親和性」を認識して、投稿がフォロワーに広がりやすくなるんだそうです。あとは頻繁に交流するユーザーの通知をオンにすることで、すぐに返信できるようにしたり、あえて時間を置いて返信したりと、コミュニケーションの定着化を図りました。結果、2カ月でフォロワーが1,000人増加、インプレッションも大きく伸びました。それまではあまり考えてこなかったのですが、Xにも仕組みがちゃんとあって、それらを理解することと、地道な作業にはなりますが、コツコツと毎日実践していれば数字が増えるという手応えを感じましたね。

編:そうして積み重ねてきたものが、6月6日の「稼働率日本一」につながったと。

神:そうですね。戦略的にSNSを運用してきて、狙い通り「日本一」の称号を得ることができたのは素直に嬉しかったです。

編:「稼働率日本一」もそうですが、SNS運用がお店や会社に与えた影響はどのようなものがありましたか?

神:営業時間外でもコミュニケーションがとれるようになったことで、お客さまとの関係性がグッと深まりましたよね。会社にもインパクトを与えられたんじゃないかなぁ。いまだに怒られはしますが(笑)、当初SNSに懐疑的だった会社の考え方も変わりつつあると感じています。なぜならバンジーの費用が経費で認められましたから(笑)。長野県ではX運用をしている競合店がまだ少ないので、SNSこそが、資金力や台数で劣る自社が大手競合と対等に戦える唯一の手段だと私は考えますね。

編:それだけSNSに力を入れていらっしゃると、プライベートとの両立も大変かと思いますがいかがでしょう。

神:私個人は辛いとはあまり思っていません。ただ、Xのネタ集めで写真をたくさん撮るんですが、例えば旅行先でもポストに使えそうなものは全部撮ったりするんですね。そうすると、奥さんから「私を撮らずになんで変なものばっかり撮ってるの?」と怒られることが多くなりました(笑)。「Xのために生きてるみたいになっちゃう」と奥さん的には面白くないらしく、そこが悩みであり、私にとっては言われて一番困る点ですね。なので、最近は逆に奥さんを巻き込むようにしています。休日に奥さんといる時でもSNSをやっている時間は多いのですが、そういう時は「これどう返したらいいと思う?」と聞いちゃうんです。奥さんの意見がインプレッションを伸ばす可能性もありますし、一緒に楽しんでもらえたらと考えています。

編:夫婦円満のため、逆にSNSの存在を利用していくスタイル……。ご家庭でも策士でいらっしゃる(笑)。 もし今、Xをやっていなかったら、お店はどうなっていたと思いますか?

神:多分、閉店していただろうなあ。それだけSNSの力は大きいですよ。私はパチンコ店が好きなので、そうならずに済んで本当に良かったと思ってます。

編:最後に、今後の目標について教えてください。

神:10年以内に700台以上のお店をグランドオープンすることが私の夢です。そのためにも、今後もSNSを利用したハードルの高い企画(スカイダイビングやマカオタワーからのジャンプなど)を検討しています。嬉しいことに、会社全体としても「何か面白いことをしようぜ」という気運が高まっていますね。目標が上がるにつれ、物理的な(飛ぶ)高さも上がっていくという……。このままじゃ、ジャンプマスターになっちゃいますよ(笑)。

 

せっかくなら……と相棒の虎くんを被っていただき、取材がスタート。バンジージャンプの会場にも相棒を連れていく予定、とのこと。

聞き手:PiDEA編集部コガワ(@pideanaotoko1

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