5年間パチンコ依存の診療を受けていた人がコロナ自粛で依存症から脱却

2020.07.04 / コラム

パチンコの依存症患者も診てきた精神科の医師が、コロナ自粛でショッキングな出来事を体験した。この医師の下には5年ほどパチンコ依存で診療していた人が、医師の診療とは関係ない方法でパチンコ依存を克服してしまったからだ。医師にすれば手放しで喜べない複雑な心境だったに違いない。

年齢はおじいちゃんとしか分からない。それが60代なのか、70代なのか、80代なのかは定かではない。

で、パチンコを断ち切れた理由は、緊急事態宣言でマイホールが1カ月以上も休業していたことが主原因だった。マイホール以外もすべて休業しているので、パチンコしたくても行けない日々が続いた。営業しているホールを探し出してまで行くこともしなかった。

2つ目の理由は4月からの全面禁煙だった。おじいちゃんとしてはハンドルを握りながらタバコを吸いたいのだが、それができないことに不満を感じていた。かといって打ちながら吸う無法者でもなかった。

ホールが休業中は最初のころは禁断症状的なものもでていたが、それも鎮まっていった。

いざ、ホールが営業再開してホールに行ったが、カネを使わずそのまま帰ってきた。自分がパチンコ依存から立ち直れたことを実感した。そして、主治医の下に報告しに行った次第だ。

医師は「5年診てきて治せなかった。今までのアドバイスとカウンセリングは何だったんだろうかと思います。全国的にパチンコ店が長期間に亘って休業したことで、どのぐらい依存症が減ったかを調査したいぐらい。その辺のことはリカバリーサポートにも問い合わせてみたい」と話す。

さらにこんな持論を展開する。

「小池都知事は、ロードマップでパチンコ店の自粛解除をステップ3にしていますが、これは依存症のことを考えてやっているように思えてきました。今、各パチンコ店で1パチユーザーが戻ってこない傾向がありますが、これは依存症の脱却ともいえますね」

日報のコメントにもこんな指摘がある。

「年金生活者が朝飯食って何も考えずにプラっとパチンコ。その生活リズムを崩されると
プラッとウォーキングなどになってしまう。人間って1ヶ月前の生活感ってスッカリ忘れる
つまり今の充実した毎日が平常」(ハンドルネーム「パチンコ大賞」さん)

「私の近所に120%パチンコ依存症のおばさんがいるんですが、宣言解除後もほとんど家にいます。コロナ前は休日はもちろん仕事帰りもほぼ近くのホールへ行ってました。家の周りなど雑草だらけで酷いもんでした。
しかしですよ皆さん、宣言を解除し、近隣ホールも営業再開してその後もクラスターなど発生していない&近場での感染者情報は無いのにもかかわらず、家にいるんです。しかも!庭の草取りや植物を植えたりなどしています。理由はどうあれ依存症は1ヵ月も離れると冷静になれるものですよ」(ハンドルネーム「名無し」さん)

確かにお年寄りの暇つぶしの場所がホールだった。コロナ自粛では図書館も閉まり行き場を失ったお年寄りは、早朝のウォーキングに汗を流したりしている。1カ月以上も生活のリズムが新たなものにシフトしていくと今度はそれが普通になり、パチンコ依存もスッと抜け出せたりするのかも知れない。

依存症対策に取り組むパチンコ業界には複雑な思いが去来する。







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