業界総売上は20兆円ジャスト、総粗利は3.24兆円/DK-SIS白書2020年版で発表

2020.07.03 / その他情報

7月3日、ダイコク電機は「DK-SIS白書2020年版」刊行オンライン記者発表会を開催。今年はコロナ禍の中、zoomでの記者発表となった。

昨年から続く大型入替や新型コロナの影響で閉店が相次ぎ、市場の台数は減少しているものの、DK-SISの台数シェアは増えており、2019年度は市場全体420万台のうち35%超まで拡大している。そんな業界のビッグデータが1冊の冊子にまとまったものがDK-SIS白書である。

ダイコク電機では、DK-SISデータから市場全体の年間総売上と総粗利を推測。市場全体の総売上は20兆円まで下がり、総粗利については3.24兆円と減少している。

また、新型コロナの影響考察として参考までに提示された資料によると、2020年1月から6月の売上は6.9兆円、粗利は1.13兆円といずれも前年同期比で68%となっている。6月から多くのホールが営業を再開しているが客足は戻っておらず、年間を通して大きく前年割れすることはほぼ確実だ。

 

 

DK-SIS白書2020年版 業界キーワード
①業界総粗利の減少傾向が続く
②パチンコ業績はわずかに下落 解釈基準・内規の改正
③パチスロ業績は横這い 主要高射幸性遊技機の撤去・新規則機への入れ替え進まず
④遊技機の販売台数がパチンコは4年連続で減少、パチスロは増加に転じる


発表会では、2019年の業界総粗利減少の主要因となったのは4円パチンコの業績不振であると発表された。次ページの図4を見ると、4円パチンコは市場全体で見ても台数シェアを下げており、さらにパチンコ内でも4円はシェアを下げている。一定の圧縮効果に期待されたものの、アウト・粗利が減少している。

さらに、2019年の時間粗利は1150円となっており、解説を行ったDK-SIS室室長の片瀬博之氏は、この項目が2017年から上がり続けていることを問題視している。遊技機の出玉性能が抑えられた背景があるにも関わらず、お店の粗利確保が目立っていることを意味しており、「これが改善しなければパチンコの業績が良くなることはない」と発表された。

2019年に解釈基準の変更があり、内規が変わったことで低ベース機が登場。一旦抑えられた射幸性が新規則によって上がっていることや、3種類の時短を搭載した「遊タイム」の登場もあり、ヘソや電チュー入賞口の開発自由度が高まっていることを受けて、「DK-SIS室としては2020年はパチンコに期待をしている」と明言された。

対するはパチスロだ。パチスロがパチンコと異なるのは、一時間あたりの粗利である。2019年のデータを見ると、パチンコは1150円と高いが、パチスロは660円と半分ほどの粗利で「遊ばせている」状況がある。ダイコク電機では時間粗利が低くなっていることが、パチスロの稼動が増えている要因としており、「こういった状況が本来パチンコとしては理想だがどうしてもそれができていない」と活用に差があることを示した。

また、パチンコと違いパチスロは、20円パチスロのシェアが82.1%となっており、4円はここが56%であった。パチスロは店の中心である20円が頑張っている現状がある。

市場全体で420万台のパチンコとパチスロを大まかに分類すると6対4ほどの割合となり、パチンコの方がシェアが多いものの、総売上はパチスロがパチンコを上回っている。このことからも2019年においては、パチスロの貢献度が高かったことは明らかだ。

 

片瀬氏は、「毎年SIS白書は購入してくれたホール様にとって、『すぐ営業に使えるもの』をということで作成しています。旧規則機に対する経過措置が延長となり、来年の11月30日まで使える遊技機が増えました。東京を基準にして、いつまで設置できるのかを一覧表をつけています。こうした内容も本をパッと開いて営業計画に役立てていただきたいです」と本書の活用方法をアピールした。

ダイコク電機, DK-SIS白書, 市場規模