コロナ禍で見えてきた2円パチンコの重要性

2020.06.29 / コラム

団塊の世代に支えられてきた低貸しコーナーだが、その世代は後、10年ないし20年も経てば消滅することは懸念されていたことだ。それがコロナ禍で切実な問題として浮上してきた。

40~50代の世代が団塊の世代にとって代わって低貸しを支えてくれるのだろうか? それ以前に低貸しコーナーを維持するためのビジネスモデルも限界にきた。新台の販売台数が年々落ちている。高価な新台を稼働があまりない4円で使い、機械代も回収できないままに中古に回しているが、中古機不足で中古機の値段が上がれば、低貸しをやる意味もなくなってくる。

大手はチェーン店内やグループ店内で中古機を回すことができるが、中小ともなるとそれができない。

となれば、今後パチンコ業界が生き残る道は2円パチンコを育成するしかない。これまで4円と1円の狭間で成功事例が少なく、どちらかと言えば、惨敗に終わっていた。

今こそ4円から1円に落ちるユーザーを2円で食い止め、1円のユーザーを2円に引き上げるためにもやらなければならない。

では、2円パチンコでうまくいっているホールはないのか?

2円パチンコの成功について業界誌PiDEA(Vol.163号)が、ダイナムの事例を取り上げている。
以下引用する。

ダイナムの2円パチンコが高稼働を維持できている理由に「設置比率」、「設置場所」、「機種の鮮度の高さ」、「遊べるスタート回数」の4つがある。設置比率については、稼げるコーナーだからといって欲張って増やしても意味はなく、やはり1円パチンコとの稼働バランスを見ながらコース数の上限を調整していく。

ある店舗の設置比率は20%であるが、環境の変化でこの比率は今後変わっていくかもしれない。気を付けるべきことは、設置比率を検討する上で、1円パチンコと2円パチンコを背中合わせにして混在させないこと。これはプレーヤーの遊技動機が違うからである。

(中略)

設置場所について、設置比率の低い2円パチンコでも「主役の顔」を持たせる必要がある。よって入口に近い、中心部の島に配置すべき。1円パチンコより高いレートかつ比較的機種鮮度の高い島で優越感を持たせてあげること。

ただし、4円パチンコも存在する店では2円パチンコは光らず、中途半端な存在になる。おおよそ2円パチンコが高稼働している店に4円パチンコは存在しない。

(中略)

4円パチンコで甘い機械はスタート回数を下げ、利益確保に走る傾向にあるが、低貸玉営業ではスタート優先で営業する。甘い機械では利益率は低くなり、その分辛い機械で調整し、パチンコ全体ではスタート回数のバラツキを少なくし、全体で利益管理を行う。

引用終わり

低貸し営業ではローコストオペレーションのノウハウを持っているダイナムが、2円でもノウハウを蓄積していっているようだ。

コロナ禍で前年対比でよく戻して60%が現状の中、客単を上げるには2円の育成が何より重要になる。思い切って4円を捨てられるかにもかかっている。








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