広告宣伝の自粛を緩和した「三重県遊協モデル」が待ち望まれているのではないか
2020.05.26 / 新型コロナ5月25日、三重県遊協(権田清理事長)は、「広告宣伝行為の自粛等の終了時期と今後の対応について」と題した通知文を組合員に対して発行した。緊急事態宣言が解除となり、地域によってはパチンコ店も営業をすることができるようになった。となると、失った顧客を戻すための広告宣言もしかけていきたいところだ。
しかし、念頭に置く必要があるのが感染拡大の第二波・第三波であり、緊急事態宣言解除で気が緩んだ結果、パチンコ店で感染症が拡大することだけは避けなければならない。
全日遊連が5月22日に発行した通達では、「全ての広告宣伝行為の自粛等の終了時期と今後の対応について」と緩和を匂わせたタイトルとしながらも、6月1日以降も社会情勢を踏まえながら再度検討するとしており、広告宣言行為自粛の終了時期が明確になったわけではなかった。
ここで話は冒頭の三重県の通達に戻る。三重県が出した通達では6月1日以降の広告宣伝について一定のルールは設けているものの、明確に緩和の方針を伝えている。以下、一部を抜粋する。
1 6月1日以降の広告宣伝について① 告知可能な広告宣伝の内容・ 自店の新型コロナウイルス感染予防対策・ 開店時間や新台入替の事実の告知・ 上記に関するSNS(ホームページ・メールなど)を利用したファン向けの告知※ 折り込みチラシについては、開店時間、新台入替の事実の告知に限定するほか、チラシには自店の感染防止対策について必ず記載すること。② 告知が認められない広告宣伝の内容・ テレビ、ラジオ、新聞紙面を利用した告知・ 集客目的のイベント告知(ライターやイベント企業が関係するものを含む)2 店内イベント等の自粛解除4月13日から自粛中の・ ライター取材(店内告知に限定)・ 総付景品・ 来店ポイント交換会(通常のポイント付与、ポイント交換は可)・ ケータリング・ 物販・ コーナー開店・ 特別景品の提供・ 屋台等(感染症対策については十分に留意)等の店内イベント等について5月30日から自粛解除とします。なお、店内イベント等の告知については、外部への広告宣伝は自粛し、店内告知のみといたします。
注目すべきは、2の項目だ。1の項目で6月1日以降も広告宣伝は自粛を継続する次第を打ち出しながらも、明確に禁止しているのは「告知」であり、店内で行う「イベント」に関しては緩和の姿勢を見せたということだ。これが他県とは大きく異なる点だ。「イベント」という言葉が適切かどうかはさておき、「これはダメ、これはOK」と明確に線引きをした。ホールとしてもこの方がやりやすいはずだ。
新型コロナウイルスに対する行政への対応として、自粛を要請しておきながら出口の見えない戦略が批判の的となった。闇雲に自粛を押し付けるだけではなく、三重県のように納得のいく具体的な案を出してもらいたいものだ。