アムディ亀有で暴言を投げたパチンコ業界の敵、YouTuber「令和タケちゃん」をインタビューした

2020.05.01 / 新型コロナ

最後の最後まで営業を続けたパチンコ店、アムディ亀有店の前である事件が起こった。4月29日、同店に向かって1人の男性ががなり立てる動画がネット上に出回ったのである。

 

「おい!病人、病院に行けよ!病院に行け!ギャンブル依存症の皆さん病院に行きましょう!(×3)。君たちは病人なの、異常者、狂ってるの。ね。子供たちはね、大人しく外出自粛しているさなか、君たちはパチンコ打ちにいくのか。3密だろうがおい!」

 

実に気分の悪くなる物言いで、パチンコ業界から一気に敵認定された動画を撮影した張本人は、YouTuberの令和タケちゃんだ。2年頃前から撃退・報道系YouTuberとして活動を始め、渋谷の喫煙所でルールを守らない利用者を高圧的に注意したり、公職選挙法違反をしていた立候補者を私人逮捕したりといった動画をアップしているお騒がせ系YouTuberである。

現在26歳の令和タケちゃんは、大分出身で18歳から21歳までの3年間、陸上自衛隊第4師団第4戦車大隊の戦車准尉として任期をまっとうした元自衛官である。現在は、サラリーマンと二足のわらじでYouTuberをやっている。

 

 

当編集部の取材時点では、アムディ亀有の動画はまだアップされていないが、間違いなく彼の所業であることを確認した。なぜあのような動画を撮ったのか。

 

「多くの人が外出自粛をされている中で、私もそうだけど居酒屋に行くとかいろんなことを我慢しています。お店を開ける開けないというのは都や国とのやりとりなので口は挟みませんが、私がカチンときたのが、パチンコを打ちにいく人たちなんですよ」

 

話を聞いてみると、彼の怒りの矛先になったのは、営業を続けたパチンコ店ではなくパチンコ店に遊びに来ていた人たち。「子供たちが遊びにいくのを我慢している最中で、我欲を優先しこういう時でも打ちたいというのが許せなかった」という。パチンコ店に特別な感情はなく、「他の業種でも同様のケースがあれば動画を撮りにいくと思う」という。たまたま自宅から遠くない距離に世間的にも話題の店舗があったからという理由で同店に並ぶ人たちがターゲットとなった。交通事故のようなもので、来店客からしたらたまったものではない。

なぜ彼がそこまで吠えるのかは、元自衛官ということもあり、日本を悪くする私腹を肥やす政治家や悪徳企業が許せない愛国心からだ。国をよくしたい、国を守りたいという一念が、渋谷のタバコ動画や権力者に対しての牽制動画につながっている。

 

 

「路上喫煙をして街を汚していて、それを見た外国人がどう思うのか。日本はマナーが整っている美しい国だと言われているのに、蓋を開けてみたらノースモーキングというポスターが貼ってある目の前で路上喫煙をしている。そして、それを注意したら逆上する。いつからこんな国になったんだろうと。そういうことを1つずつ変えていったら、少し考え方が変わるんじゃないかという問題提起をしているのです」

 

彼には彼の正義があり、第三者が立ち入るべきではない。ただ、「アムディ亀有事件」においては、並んでいる客に対し明らかな肖像権の侵害と店に対する妨害行為であろう。お騒がせ系YouTuberとして「一線は越えないようにしています」というが、今回の件はさすがに逸脱していないだろうか。

 

「公益性があるから問題ないと思っています。訴えるなら、裁判を待っているぞという感じです。一線を越えないというのは、刑事事件はの話です。民事は受けて立つ構えです。(業務妨害については)それも分かっていたので店や店員には触れていません。公道だと表現の自由になりますから。店舗に入って『なんだこのやろう!』とやったら刑事事件になってしまいますけど、もし訴えるのであればこっちも動画を回した上で受けますよ」

 

撃退・報道系YouTuberであるため訴えられるリスクに関してはある程度覚悟の上だ。とはいえ、あんな動画を頻繁に出されては、業界側の立場としては困る。インタビューの最後に「あんな動画はもう絶対に撮らないでほしい」と伝えてみた。

 

 

「…………はい。気持ちは分かります。まぁ、パチンコ業界さんにお願いしたいのは、『あなた方がパチンコ店に行くことによってパチンコ業界も悪影響を受けます。本当にパチンコを好きなんであれば今は来ないでください』とお客さんに伝えるべきじゃないでしょうか。自らパチンコを潰しているんです。どうしても行かなきゃいけない理由があるのであれば、その理由を明確に記者会見なり起こすべきじゃないかなと。マスコミに対して『行ったら悪いのか!?』と開き直るようなことは誰がどう見ても叩かれる所ですよ」

 

一般人が記者会見というのは少々理解に苦しむが、どうしても今行かなければならない理由はたしかにない。パチンコ業界の教訓としては、こうしたYouTuberをのさばらせないためにも、誰がどうみても納得する対策を講じる必要があるということだ。

 

 

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