高橋正人「MAX最後の牙狼を検証する」

2015.08.06 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第60回]「牙狼魔戒ノ花」

【牙狼】と言えば「MAX機の代名詞」と言っても過言では無い。逆に言えば「MAX機の歴史を作ってきた」とも言える「牙狼シリーズ」ではあるが、そのMAX機そのものが2015年10月にて、新リリースが終わる・・・と言う事は、今回が「MAX最後の牙狼」と言う事になる。

<牙狼MAX>シリーズの歴史
・2008年11月〜初代【牙狼XX】<50%突入&82%継続>。まだ「2,000個出玉」では無かった。
・2010年12月〜【牙狼〜RED REQUIEM】<1/358・確変82%>。出玉1,000個の連チャン特化仕様。
・2012年03月〜【牙狼魔戒閃騎鋼】<51%突入&ST=145回(77%継続)>。初のST機。出玉は約2,000個
・2013年05月〜【牙狼FINAL】<51%突入&ST=160回(77%継続)>。ロングST時代到来。
・2008年11月〜【牙狼金色になれ】<51%突入&ST=161回(77%継続)>。ド肝抜く新枠で登場。
そして2015年10月最後のMAX牙狼・【牙狼魔戒ノ花】がリリースされる事となった。

<スペック>を再確認
前作「金色」と比較して、基本的仕様はほぼ同様であるが、特賞比率に2つの大きな違いがある。一つは「確変突入率」で、【51%⇒53%】へと若干上昇している。二つ目は、以前は通常しか無い「13R当り」が、「初回【確変13R(10%)】が加わった」。結果的には『確変突入率を上げて、平均TYを下げた』仕様になった事になると言うよりも、通常13Rからの昇格演出的なモノを加えるために、『そうなった』ということだろう。

<販売方法>
まずは、「本体販売=5万台前後」「盤面販売=6万台前後」と言う販売状況に一部疑問が出ている。まぁそりゃそうで、ホールとしては、まだしっかり稼働している『金色の盤替え』を強いられる訳で、『金色を残しつつ、新作牙狼を増台したい』と言う思いは、早々に打ち砕かれる事になった。無論「本体販売が全く無い」訳では無いのだから、完全否定された訳では無い。次に「本体価格=42万9000円」。遂に業界初のパチンコ40万円超えをしたことになる。まぁ販売価格と言うものは、版権費・企画費・製作費・製造費・営業費等々、多くの経費が掛かったモノに、会社利益が計上される訳で、私個人的には『儲けよりコスト上昇が大きな理由』であろうと推測しているが、それにしても『遂に!・・・』と言う思いは否定できないのも現実。

<いくつかの疑問>を想定してみる〜1【増産】
『増産の予定はあるのだろうか?』・・・「受注台数は20万台近い」と言われているが、現状での出荷台数規模は「11万台」、良くても「12万台」と思われる現状だが、「リリース時に合わせた増産」は無いと思われる。無論「リリース後の増産」は、MAX規制有るので絶対に有り得ない話となる。11月以降の設置 は「中古機の」に限定されるが、その先行きをまだ霧の中にあって、ハッキリしていない現状では、『新台導入しないと一生設置出来ない!?』可能性だって見え隠れしている。※このあたりの話は、次回のコラムで触れられるかどうか・・・。

<いくつかの疑問>を想定してみる〜2【演出】
いつも書いている事だが、『打ち手は比較論で感じる』訳で、そうなると比較対象は「金色」って事になる。その機種との比較で言うならば、【魔戒ノ花】では、「通常13R=47%」「確変13R=10%」の存在を『打ち手はどう感じるか?』が重要なポイントになるであろう。つまり、『13R通常が当たった(=57%)⇒がっくり⇒おぉ〜確変だった!』となるのが嬉しいのか?
逆に「51%突入(15Rまたは16R)」だった金色に対して、その感動と安心感は『43%に減っている』と感じてしまうのか?
打ち手が「どちら側から感じるか?」でその答えは変わるのだが、結果は打ち手が感じ、アウト値で答えを出してくれるまで誰も分からないのが現実です。

<追伸>
今後の「パチンコ台の価格」は「消費税8%込み50万円」時代に突入する事であろう。つまり「本体価格=46万円」時代に進んで行く事でしょう。メーカーとしては当然の成り行きで、「新台が売れない時代」であれば『一台当たりの、製造コストも営業コストも比率は上がる』訳で、結果遊技機代に上乗せされるのは必然の流れ。いずれ「50万円突破!?」の時代も来るかも知れないが、それはその時に考えればいい話で、今ゴチャゴチャ言ってみても仕方ない話でしょう。・・・でも気になる(汗

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

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