高橋正人「絶狼を好稼働させるスゴ技」

2015.03.25 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第42回]CR絶狼の超研究

まずは、スペック概略の再確認から。【納期関連】・・・「4月5日」〜リリース。参考販売台数は「4.0万台」想定。【確率関連】・・・「特賞確率=1/399.6」(高確率=1/140.9)・「確変」ST突入=51%・継続=100%。「電サポ」・ST中=195回転・通常後=100回。【出玉関連】・・・「賞球=3&3&7&15&15」(上・下アタッカー=15個賞球)・「10カウント」。出玉=「6R+6R=1,680個」「8R+8R=2,240個」

【スペックの留意点】
現在マックス主流の「ロングST仕様」で、出玉は最大値のスペック仕様となる。初当りは「全て12R当り」で、電サポ中(時短含む)の出玉は「全て16R当り」となっている。そのST中連チャンは【75.1%】「継続回数値=4.01回」。

◆【ステージ性能】
【初代牙狼】を彷彿させる様なステージ形状で、基本的には『甘い仕様』となる。
※<ココでの運用ポイント>※
設置傾斜は、一応【3分5厘】基準となるが、「設置傾斜の差」によるスタート値への影響は小さいと考えられる。また、「損益分岐点スタート値が低い」ため「ステージ入賞」そのものを軽減されている方がベターな考え方となります。
<参考図①(写真2枚目)>⇒6本の釘(5つのピッチ)での【壁釘】があるため、「玉軌道は外側へ」誘導されている事がポイントに。

◆【スタート入賞性能】
「出率100%分岐点S値=5.6回」目安なので、実際の営業は「S=5.3回」程度となるであろう。
また「風車」からの【外逃げ玉】が非常に少ない設計ゲージです。
※<ココでの運用ポイント>※
<参考図②(写真2枚目)>⇒振分【V字】ポイントにて、外逃げ玉が発生しますので、ココへの寄り玉が多くなっていると有利です。内側への軌道された玉は、必然的に『そのほとんどがヘソへ寄る』事に繋がります。

◆【アタッカー&出玉性能】
サミーの「北斗の拳」に代表される仕様の【絶狼アタッカー】となっており、「ラウンド間秒数=約0.1秒」と短いので、ラウンド間の「ムダ玉」が無く、出玉は安定しやすい仕様となります。ただし『カウントオーバー入賞が多い』形状のため、「特賞16R時の最大値」では、「2,300個」に達する事もあります。
※<ココでの運用ポイント>※
<参考図③(写真2枚目)>⇒アタッカーへ向かう「中心なる玉軌道」(太線の軌道)から漏れるピッチ=【上段の2か所】のルートから、更に右フロックへ向かう軌道の玉の量によって、特賞時間(T1O)が変化し、結果的に出玉個数が変化をする事となる。また、下段ルートからアタッカーに向かう玉軌道のみ、アタッカー直近の【V字】での逃げ玉となります。

◆【甘ベース性能】
右打ち時の最初の振分【V字】が『左右の玉軌道に分かれる』分岐点となり、更に「スルー左」「スルー入賞」「スルー右」の【3ルート】となる。そして「スルー左」&「スルー入賞」が【aルート】、「スルー左」が【bルート】となる。
※<ココでの運用ポイント>※
<参考図④(写真2枚目)>⇒【aルート】は『甘ベース値が低くなる』傾向に対し、【bルート】は『甘ベース値が高くなる』傾向になる。よって、スルー入賞率が高くなる(メモリーは満タン状態)と、結果的には「甘ベース値は低くなる」事となる。

◆【注意すべき点】は【SA値】になる。・・・「ST消化時間」が問題になる可能性!
〜前作「牙狼金色」と比較してみる〜
【牙狼】・SA値=21回・「高確率=1/109.6」「ST回数=161回転」 ⇒【ST消化時間=7分40秒】
【絶狼】・SA値=21回・「高確率=1/140.9」「ST回数=195回転」 ⇒【ST消化時間=9分20秒】
⇒ST消化時間では、「1分40秒」の差がある。この状態で『甘ベース値が同数値』にすると、その玉減り数は・・・
【牙狼】・BA=85%時【玉減り個数=115個】・【絶狼】・BA=85%時【玉減り個数=140個】となる。
【牙狼】・BA=80%時【玉減り個数=153個】・【絶狼】・BA=85%時【玉減り個数=186個】となる。
⇒「上皿の玉数」は、同じ概ね「160個」とした場合、明らかに「上皿の玉」が無くなるので、最新の注意が必要である。


<総評>
同時期の【販売台数】から見ると、【高尾・貞子3D】は『絶狼の半分』程度であり、【タイヨーエレック・嘘喰い】は、5千台程度と見込まれている現状から、本来の敵は【三洋・大海3スペシャル】の6万台になると考えられる。しかし、明らかに『「スペック仕様」が異なる』事から、市場は「ダブルスタンダード」の様相を呈する事となり、その先にある「GW戦線」を見据える限り、ホールとしてはその対応に迫られる。また、現行の【真・花の慶次】とも仕様が異なり、更に2週間後の【デビルマン覚醒】も、マックス系とは言え明らかに仕様が異なる事から、「絶狼」が単独で生き残るには、「牙狼金色」との「稼動の引き合い」になる可能性も考えておきたい。

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

 

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