高橋正人「牙狼か絶狼かそれが問題だ」

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

［第３９回］ＣＲ絶狼ＸＸ−Ｖの大研究

４月５日週リリースされるパチンコ機種「ＣＲ絶狼　ＸＸ−Ｖ」。ご存じの通り「牙狼＜ＧＡＲＯ＞」のスピンオフであり、シリーズ劇場版第４作目の映画がモデルとなっている。主人公は「銀牙騎士ゼロ＝涼邑零（すずむられい）」、サブタイトルは「−ＢＬＡＣＫ　ＢＬＯＯＤ−」だ。パチンコ遊技機としては、開発側としてもＭＡＸスペックである事は必然の流れであるが、前作「牙狼〜金色になれ」との「競合」それとも「敵対」となるのだろうか？幾つかの側面から探ってみようと思う。

■まずは【スペック】の再確認。
【納期関連】･･･「４月５日」週〜リリース。参考販売台数は「３．５万台」想定。【確率関連】･･･特賞確率＝１／３９９．６（高確＝１／１４０．９）・確変ＳＴ突入＝５１．０％・継続＝１００％・ＳＴ回数＝１９５回転（モード連チャン率＝７５．０６％）。【出玉関連】･･･「賞球＝３＆３＆７＆１５＆１５」・「アタッカー＝１０カウント」出玉＝「６Ｒ＋６Ｒ＝１，６８０個」「８Ｒ＋８Ｒ＝２，２４０個

■特徴（１）〜一撃の出玉に特化
何はともかく、現状の遊技機スペックの中で「最も多い特賞出玉」が魅力である。この特徴を『どう捉えるか』が打ち手側の「評価の是非」となるであろうし、牙狼金色との違い（１６Ｒ出玉＝２，０１６個）なのかもしれない。そして、高確中は『全て２，２５０個の出玉のみ』となっており、「４Ｒ大当り」なんてモノは一切無い潔さを感じる。

■特徴（２）〜継続回数を犠牲
多い出玉に伴って、モード連チャン率は下がっている。「牙狼金色＝７７．１５％」だった数値は「７５．０６％」となる。たった２％程であるが、これが実際の継続回数になると、「牙狼金色＝４．３７回」⇒「絶狼＝４．０１回」となる。また、「エヴァ９＝５．００回」「真・花の慶次＝６．４５回」と比較すると、その数値は激減しているとも感じる。

■上記スペックに対しての運用の懸念材料。
前回の【機種考察】でも記したが、【各台計数機】システムとの相性問題が懸念される。結果から言うならば、『各台計数機ではなく【玉積み】営業の方が適している』と言える。各台計数機システムでは、どうしてもその「一撃出玉体感」の度合いが薄れてしまい、【特徴（２）】の『連チャンしない』イメージが残ってしまう可能性が高くなる。

■更に懸念される「ホール運用」がある。
牙狼シリーズでは、「確変中のスタート値＝ＳＡ値」が、概ね「２１回」程度と想定される。無論「牙狼金色」も２１回程度になっていたハズであるので、一度再確認を強く勧めます。そこで問題となるのが【ＳＴ消化時間】と【ＢＡ値】も連動である。仮に「牙狼金色＝２１回」だとすると、ＳＴ消化時間は
「１６１回÷２１回＝７分４０秒」だが、「絶狼」の場合は「１９５回÷２１回＝９分１７秒」となる。その差は「１分４０秒」程であるが、『連チャンが終わった』時の脱力感と疲労感が増加するのではないか一応懸念される。

更に、確変ベース値の問題も残る。仮に「ＢＡ＝８５％」で運用したとすると、ＳＴ終了時の玉減り個数は、「牙狼金色＝１１５個」となるが、「絶狼＝１４０個」となる。【上皿の玉数】は「概ね１５０個」程度ですから、その残玉数は明らかに少なくなっている事に気が付いてしまう。最悪『玉を追加して当らない』結果が待っている事になる。仮に「同じ残玉数」にするには、【絶狼＝８７．６％】のＢＡ値が必須となる。つまり「３％程度の上乗せ」が必須である。本当の「顧客目線」を考えるならば、この３％は『たったの３％では無い』事を心して起きたいモノである。

＜総評＞
【集客貢献力】は最大値を期待していいだろう。顧客側としたら『新しいガロ！』との思いから、先ずは優先的に導入店舗に押しを運ぶ事となるであろう。逆に、導入されていない店舗に行く理由は見当たらなく、相応の打撃は受けてしまう。ただ、前作の「牙狼金色」とに比較体験をした後には、その完成度は「金色」を超える事は無く、稼動貢献力は下がる可能性が非常に高いと予測している。コレは、同時期にリリースされる【ＣＲ貞子３Ｄ】にも言えて、『今度のリング（貞子）はどう？』との思いで、【集客貢献力】は高いが、前作との比較論になると「否定的な感覚」に囚われる可能性も含んでいる。よって、「集客力」と「稼動低下率」を考慮すると、この２機種は少ない台数（半島まで）での同時導入がベターだと思う。

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。