高橋正人「ラストMAXの寿命」

2015.10.01 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第68回]ラストMAXを考える

9月26日には、2015年の通常国会が閉じられ、10月になれば早々に「内閣改造」が行われ、新しい組閣が誕生する政治情勢の中、パチンコ遊技機情勢も「最後のMAX」リリースの月となる。そんな環境において、再度【MAX機の寿命】を再度考えておこうと思う。

■重要なのは【玉単価】の推移状況の確認。
まずは「9月前半リリース」された機種の玉単価を確認してみよう。<ヱヴァンゲリヲン10><神獣王2><義風堂々><着信アリ><ギンギラパラダイス4><リアル鬼ごっこ>の6機種がリリースされた。無論『全機種導入した』と言う店舗は少ないと思われるが、全国的には『全機種導入されている』訳で、その数値動向から、今後の【稼働低下率】を予測してみよう。(※ただし、<ギンパラ4><リアル鬼ごっこ>はミドルが主軸となっているので、ココでは除きます)

■この上記4機種の玉単価の高い順に並べてみよう。(稼働1週間平均)
①神獣王2 ②ヱヴァ10 ③着信アリ ④義風堂々・・・となる。おそらくどの店舗でも言えることだろうが、『初動週玉単価が2.0円を超える』機種が出たと思ういますが、これが、『稼働寿命が下がる前兆』になります。ココで間違ってはいけないもが、『玉単価が高いから稼働が下がる』訳では無いです。『玉単価が高い理由が客反応の結果として受け取れる』に過ぎないからです。つまり、「面白い?か面白くない?」の反応が、打ち手一人一人の稼働時間を短くし、持ち玉遊技を止めさせて、結果的に玉単価が上がる結果として現れる・・・って事です。もちろん【基準値】と言う数値は無く、店舗ごとに異なりますが、概ね【自店舗の同一スペックの平均値】(ここで言うところの「MAX機種平均値」)を店舗基準としておくといいでしょう。

■次に「稼働低下率(%)」が高い順番に並べてみよう。(稼働1週間後の同一曜日のアウト=8日目)
①義風堂々 ②神獣王2 ③着信アリ ㈬ヱヴァ10・・・となる。更に【玉粗利】も加味すると、この「1週間」の結果から、それぞれの機種の今後の運用方針が見てとれます。

では今後、『どう運用するのか?』の一例を記してみましょう。
<ヱヴァンゲリヲン10>『初動集客力は高い』が、高い玉粗利でも『稼働低下率が低い』⇒『設置台数が多いが、顧客絶対数数も多い』。先ずは「玉粗利を下げ」て稼働軸の機種として運用。「玉単価=1.95円以下」をキープ出来れば成功。「2.0円超える」様なら、徐々に減台しつつ稼働維持を考える。
<神獣王2>『初動玉単価が高い=飽き易い』上に『稼働低下率も高い方』⇒既に「撤去対象機種」となっていると判断。早期に粗利重視機種として心を決めて、次期機種へ転換。さらに早期に中古転売交渉を始める。
<義風堂々>『玉単価は低い=面白い』けど『稼働低下率が高い』⇒支持する客が「少数化&固定化」している傾向。よって、「固定顧客の離反食い止め」と、早期減台して稼働安定化へ。
<着信アリ>『初動玉単価が低い=面白い』上に『稼働低下率が低い』⇒適度な設置台数になっている。
打ち手顧客層に女性が多ければ、長期稼働を夢見よう。ただし男性顧客層ばかりなら、10月新台導入時に覚悟はしておいた方が良い。その際、「牙狼導入後の推移」次第で判断しても遅くは無い。

■まぁ、こんな感じで運用判断出来ます。
必要な数値は・・・①初動(1週間)玉単価、②稼働低下率(導入日と8日目)、③玉粗利の平均額
この3つの数値に集中して、推移を追いかける事で、その機械の運用判断になりますので、一度見てみて下さい。そして、10月最後のMAX機種が導入されます。最後に運用ミスをしない様にして欲しいと願います。
また、この判断方法を活用して、今後のミドル・ライト・甘デジの運用に生かしてい頂ければ幸いです。

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高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

 

 

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