高橋正人「デジハネ化物語の支持率」

2015.04.29 / 連載

【水曜】高橋正人のパチンコ運用リアル養成講座

[第46回]デジハネ7化物語の大検証

6月のMAX機種は、前半「トランスフォーマー」「キャッツアイ」「モンキー・パンチ」「三國志〜英雄集結〜」「ワシズ」、後半でも「キカイダー」「パッションモンスター」の2機種が控え、【月間7機種】と乱打戦の様相を呈している。そんな中において、「甘デジ」機種が【新・再コンテンツ】合わせ、現状7機種がリリースされている。そして久々に登場した【ヘソ賞球=7個戻し】機種がある。それが「CRデジハネ7化物語 STJ」になる。

■【仕様概要】を検証 【デジハネ化物語】・・・「特賞確率=1/99.9・ST確変=100%・ST=6回転」のフルST仕様ですね。同時にリリースされる【CRデジハネ化物語 STK】との比較では、出玉個数も共にココまでは全く同じスペックになります。唯一異なる点はただ一つ「高確率」が異なります。ヘソ7個の「STK⇒1/16.1」、ヘソ3個の「STK⇒1/14.5」。

「継続率」では、【STJ=31.94%】、【STK=34.87%】となり、当然ながら『STKが若干高くなる』のだが、「継続回数」では、「STJ=1.469回」に対し「STK=1.535回」と若干高いながらも、その差は「0.07回」と、全くの誤差範囲と言っても過言では無い程度の差であり、打ち手が体感するのは不可能であろう程度の差にしかならない。ただし、「ST後93回転時短」を搭載しており、その占有比率が異なり、引き戻しを含む数値は若干異なります。

■【ヘソ賞球=3個】から見た【ヘソ賞球=7個】を検証 「S=6.0回」「BY=2%」とした場合、ヘソ3個賞球でのベース値は「20.0%」になりますが、「ヘソ=7個」の場合、ベース値は「44.0%」になります。1分間の投資金額は、「3個=320円」「7個=224円」と変化する事になります。その比率は【1対0.7】となり、売上スピードは「30%」のダウンとなります。確率分母が「99.9」ですから、初当りまでの所要時間は、同じ「16.65分」となります。その投資金額は、【STK=5,328円】【STJ=3,730円」】と、約1,600円値度の差額になります。当然ですが、『初当りに対して期待する出玉も、その分少なくなります』

■【玉単価】を想定する。 【ヘソ7個賞球】の甘デジ機種の玉単価は、「0.9円」程度を想定しています。普通の4パチの「甘デジの玉単価」は、概ね「1.2円」前後、1パチは概ね「0.3円」の時代ですから、2パチとまでは行きませんが、その真ん中くらいの位置ですね。

■気になる【千円スタート値】を検証。 千円スタート値の計算は(4円玉貸の場合)・・・「250÷(100−ベース値)×S」ですから、上記を参考に計算してみると、【STK=18.8回】に対して、【STJ=26.8回】と、その差は「8回転の差」として現れます。お客様の言う、『回る』『回らない』との根拠が【千円スタート値】で言うならば、「千円で25回転超える」機種は、明らかに『回る』と言う機械になるでしょう。しかし、「液晶の回り方」「メモリーの多・少」は、有効スタート値が変わらなければ、全く同じ事になります。

■お客様の【優先順位】を検証。お客様は「千円あたりの回転数」に表す、【金額単位での回転数】を優先するのでしょうか?  それとも「液晶画面の回り方」と「メモリーの数」による、【時間単位での回転数】を優先するのか? 更に、お客様の【当りやすさ】とは、「当りまでの金額」を優先するのでしょうか?「当りまでの時間」を優先するのでしょうか?

その答えは?  きっと、『早い時間で当る』=「少ない投資」と言う感覚論で語られる、そして更に「高い出玉期待値」を求めるモノである。・・・と私は思っています。つまり、7個賞球も3個賞球も『確率が同じで、スタート値も同じであれば、回り方も同じで、投資時間も同じになる』と言う事であり、果たして『投資金額が少ない』事を、十分把握してくれるのだろうか?私は、可能性は低いと思っている。ひょっとして、『出玉感が少ない』事のフォーカスされてしまったら、支持率は下がる可能性は、更に増す事になってしまう。

<総評>

私個人の意見ではあるが、『ヘソ賞球を多くして、通常ベース値を上げて、同じ金額で長い時間遊べる方が、もっと稼働が上がる』と言う意見がある。確かに理論上はそうである。しかし、「イコール稼働が上がる」=「支持される」かどうかは別問題である。であるならば、条件が一つ加わらなくてはならない。それは『通常ベース値を上げた分、確率を下げる』条件が必要になる。つまり、「当りまでの消費金額は同じ」で、「当りまでの消費時間を増やす」事となる。無論「獲得出玉期待値」も変わらない。完全に・・・当りまでの【時間消費=アウト増加】大作戦になる。コレで無ければ、理論的に成立しないのである。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

高橋正人

パチンコ業界歴30年の大ベテラン。ホールや機械について、すべてを知り尽くしたコンサルタント。現在、有限会社トータル・ノウ・コネクションズ代表取締役社長、株式会社エル・イー・オー代表取締役社長。

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