遊技機の魅力や射幸性に頼った営業はもうできません

2018.12.01 / 連載

【日曜】ド底辺ホール復活プロジェクト
コンサルティングの現場より(190) 営業の軸について

皆さん、こんにちは。アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社の林です。11月はかなり厳しい稼働だったと感じます。計画していた利益の確保ができなかった店舗も多いでしょう。その足りなかった分を(3月決算だとして)これからの4カ月で取り戻さなくてはいけません。

しかし「取り戻す」とは言っても、そのためには稼働、売上の向上が必要になりますが、これまでのように遊技機の魅力や射幸性に頼った営業はできないので、営業のやり方、手法を根本から見直さなくてはいけないです。

これまでのやり方とは新台入替に頼った営業をしてきたことです。入替をしても一時的に稼働や売上が上昇するだけでまたすぐに元に戻り、だからまた入替をして~というサイクルになっているのが現状です。例えばこの秋のパチスロ6号機の登場に期待をしていた店舗は多かったと思います。

しかし結果は上記のとおり、多くの店舗では、一瞬上昇したように感じてもすぐに元に戻ってしまいました。新台を導入すると稼働・売上が上昇するのは、「新台だから」ということで一人あたりの投資金額が増えるだけのことなのです(お客様が増えるのではないです)。

このサイクルがこれまでの営業モデルになっていました。「新台入替を軸にした営業」です。しかしこれからは射幸性の落ちる機種ばかりになることで、新台そのものに求心力がない時代になります。そうなると入替をしても一時的な上昇すら起こらないことも予測できます。今こそ、この「新台入替に頼った営業」から脱却する必要があるのです。

「新台入替に頼らない営業、新台を軸にしない営業」、それは、「基本に立ち返る営業」だといえます。基本、すなわち「王道の営業」です。市場で一番支持されている商品を安く提供すること。つまり海系機種やジャグラーなどを出し気味で使うことです。「海を(またはジャグラーを)強くする」と考えて行動に移すべき時なのです。

これまでは出玉に投資しても時間がかかるからと、既存機種への投資が敬遠されていました。どうしても機械代に投資したほうが、即効性があったからです。でも今後は変わります。営業の軸は新台入替での新機種ではなく、既存の長く使っている機種になります。繰り返しになりますが、「新台に魅力がないから」です。

入替はしなくてはならない重要な戦術ですが、今後は「軸」ではなくなります。早めに考え方を変えて、軸は「既存機種」としていく方向性をとってほしいと思います。

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アミューズメントビジネスコンサルティング株式会社 代表取締役 林秀樹
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1972年生まれ、福井県出身。大学卒業後、遊技機販売商社勤務を経てパチンコホール企業へ。エリア統括部長、遊技機調整技術部長などを歴任したのち、株式会社エンタテインメントビジネス総合研究所入社。2012年、40歳となったことを機に起業。細やかな調整技術と正確な計数管理力で、勘や経験に頼らない論理的なホール経営を提唱する。著書に「ジリ貧パチンコホール 復活プロジェクト」(幻冬舎)がある。

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