転職活動はセカンドオピニオンでもある/パック・エックス

2016.05.16 / 連載

[新連載]
パック・エックスキャリアアドバイザーが語る「転職のタメになる話」
第8回 「転職活動から得られるもの」

こんにちは。パックエックス、キャリアアドバイザーの耳塚です。転職活動をするからには必ず転職をしなくてはいけないと考えていませんか? 当社に相談に来られる方でもそういった誤解をされて来られる方がいます。その誤解から、相談自体を躊躇されている方も多いのではないでしょうか。

転職活動=転職ではありません。転職活動をされる方でも結果的に在籍企業に残留して頑張っている方が多数いらっしゃいます。今回はその事例をご紹介いたします。

転職活動当時37歳、ポジションはマネージャーのナカムラさん(仮名)。上には店長という職位があり、店長不在でお店を管理している立場の方でした。業績は順調で他店舗の店長と遜色のない仕事、結果を残しているのに店長に昇格できない、そんな状況でした。昇格制度は年1回ありますが、管理職の昇格に関して制度の運用に不透明な部分がある状態だったのです。マネージャー歴が7年あり、このままよくわからない状態で店長の昇格を待つべきか、ほかの企業でキャリアアップを考えるべきか迷っている際にご相談にお越しになりました。そもそも転職相談をすること自体、会社への恩義があり後ろめたい気持ちもあったようで、当初は活動に対しても消極的でした。

その際に私は、「無理をして転職をする必要はありませんよ」というお話しをさせていただきました。たくさんの会社を受け、話しを聞き、自分が一番安心・納得して働ける環境を選択すれば良い。それを聞いた上で、今の会社に優れた部分があるならば残って頑張るべきですし、それがモチベーションにもつながるでしょう。もし違う会社であればその時に真剣に転職を考えてみた方が良い。といった内容です。今のままではただ時間だけが浪費してしまうからです。

これを受けてナカムラさん自身も「まずはいろいろ話を聞いてみよう」と活動に対して少し前向きになり、2社のご面接を受けることになりました。1社目は大手企業で積極的に店舗展開を進めていく中で、ポストが空いていてチャンスのあるA社。2社目は現企業と同規模で、店長への昇格基準が明示されているB社でした。最終的にA社から内定を獲得することができました。条件面はやや下がりましたが、具体的な配属店舗や昇格におけるプランまで詳細な話しもあり好条件での受け入れでした。

しかし、ナカムラさんが最終的に下した結論は「現企業への残留」でした。一番の大きな理由は「昇格できる可能性はどの企業でも大きな差はなく、自分次第であると改めて感じることができた」ためでした。内定を出したA社の人事担当者は、昇格プランの提示をした際に、こんなことを言いました。

「最終的には自分自身のプレゼンやPRは大切だよ」

ナカムラさんは、その助言を今でも振り返り、「今の企業でそこまで行っていないのではないか?」と自分自身の行動に気付くことができたようです。恐らく、このような発想は今回のような出会いがなければ生まれてこなかったかもしれません。

その後、ナカムラさんは昇格の面談を受ける際に、自身の店舗と他店舗との比較データや、自身が残してきた実績を上長にプレゼンして、無事に店長への昇格が決まりました。転職活動を通して〝気付き〟を得て、自分が一番頑張れるフィールドを見つけられたのです。「転職活動は転職することがゴールではなく手段である」というお手本のような事例でした。

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(企業プロフィール)
株式会社パック・エックスhttp://www.pac-ex.com/

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