転職希望条件がブレるのは悪いことではない/パック・エックス

2016.05.30 / 連載

[連載第10回
パック・エックスキャリアアドバイザーが語る「転職のタメになる話」
「入社を決断する決め手」

こんにちは。パック・エックス、キャリアアドバイザーの耳塚です。今週も転職のタメになる話をしていきたいと思います。

「転職をするにあたって最も大切にしていることはなんですか?」

転職アドバイザーとして多くの方のご相談をお聞きしているとさまざまな答えが返ってきます。
・給料、福利厚生といった条件を重視する方
・評価制度やポストを重視するキャリア形成を重視する方
・ターンやIターンといった勤務地を重視する方
などなど……。転職のきっかけとしては上記のような項目を挙げる方が多いですが、意外なことに入社を決断する時になると、それが変化するのです。最初にこだわっていた条件とは違った部分に惹かれて入社を決める方が多いというお話です。

先日、支援させていただいたカトウさん(仮名)は、高い給与や手厚い福利厚生など、待遇が良い企業への転職を希望していました。簡潔に言うと「給与が(将来的に)高くて、安定した大企業」が入社したい会社だったのです。30歳でご結婚の予定があることに加え、経営状況の悪化によるボーナスカット、減給が行われていた背景があり、このように判断するのは致し方ありません。

一般的に面接の場で待遇面の向上を希望したり、それを理由に志望することはNGとされています。ただ、それ自体が大切であることには変わりないと思いますので、判断基準とすることは決して間違いではないのです。

カトウさんが転職活動をした結果、内定を出したのは3社ありました。

採用条件を並べ、その中で最もいい条件を提示した企業に決めればいいだけなので、いたって単純明快な話かと思いました。しかし、カトウさんは非常に迷った末、3社の中で最も規模が小さく給与も低いT社を選んだのです。

私としても想定外のことでした。カトウさんがT社を選んだのは、T社だけが直接社長が面接し、人柄や人格などを見て「採用したい」と言ってくれたことが理由でした。カトウさんは「給与は頑張り次第でこれから上がると思いますし、長い目で見た時に長く働ける会社に行きたいと思いました」と目を輝かせており、当初の決断軸はすっかり変わっていました。

「何をもっていい転職か」はその方によって違いますし、時間が経ってから分かることもあります。そのため、一概には言えませんが、私はカトウさんの決断を尊重したいと思っています。経営者直々に必要とされ、意見交換を積極的に行える環境はどこにでもあるわけではありません。

自分に決断基準があるように、企業側にも欲しい人材の基準があるのです。面接などでそれに触れることで、「自分が本当に行きたい会社が見えてくることもある」というお話でした。

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(企業プロフィール)
株式会社パック・エックスhttp://www.pac-ex.com/

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