藤崎敏郎「キャリアプラン研修で人が流出!? どうして?」
2016.05.05 / 連載【金曜】藤崎敏郎の人材育成セミナー
第96回「部下のキャリアプラン」
部下のキャリアプランの作成をする時に、「仕事の目標は何だ」「自分のやりたいことを目標にしろ」と指導をする上司がいます。その時に、部下は自分のやりたいことを真剣に考えるかもしれません。すると、「私のやりたいことは、この会社での仕事ではありません。たくさんの人を幸せにする仕事がしたいから会社を辞めます」と、決意をさせるかもしれません。
何が間違っているかと言うと、上司自身が自分の仕事の目標やビジョンを部下にしっかりと伝えていないことです。それがなくて、部下にキャリアプランを考えさせると、大半の部下は会社を辞める方向に行くでしょう。仕事の楽しさや夢を上司が伝えていないからです。
会社には会社のビジョンがあります。例えば、5年後に30店舗にするとか、売上高を1000億円にするとか、そして、そのことにより、社員の幸せを実現するとか宣言をしている会社もあります。このビジョンに沿って、上司は部下の育成をしなければなりません。そして、そのビジョンに沿って部下の育成をするためにキャリアプランを上司がつくらなければなりません。本人に任せてはいけません。会社のビジョンとかけ離れた自分の夢を求めて会社を辞める方向に向かうからです。
会社でキャリアコンサルティングをして、キャリアビジョンを作る際のポイントは、会社のビジョン達成を実現するという大きな目的を忘れてはなりません。このことを分からないでキャリアプラン研修をしているケースがあります。おそらく、教える講師が就職する際に受けた大学などの就職のための講座を思い出してキャリアプラン研修をしているのかもしれません。この時の講座は自分の就職のための講座です。会社で同じような講座をすると、当然に他の会社に就職するための講座になります。知らないって本当に恐ろしいことです。これを知らない人がキャリアプラン研修を会社で行なうと退職者が増えるのです。
そうならないように、本社の人事部(もしくは営業部長)が全社員のキャリアプランを作成し、それに基づいて研修計画を作り、異動や昇格のプランを作るべきなのです。
人事部が作ったキャリアプランに基づいて、本人が自然と納得できる方向に持って行くために、人事制度があるのです。中でも評価制度をうまく働かせましょう。
人事部がない会社や、営業体験のない人が人事部の責任者のケースでは、営業部長が営業部の目標を達成するために、全社員のキャリアプランを作って研修を行い、人事異動をして、評価に基づいて昇格をするべきなのです。
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◯プロフィール 藤崎敏郎(ふじさきとしろう)
・株式会社パートナーズリンク社長 ホームページ⇒http://p-link.co.jp
元セブン&アイグループの本社スタッフ。パチンコ企業にスカウト採用され、営業部長、そして、社内大学のメイン講師として活躍。その後、キャリアコンサルタ ントと社労士資格を取得して独立。社員研修と人事コンサルティングで日本各地を飛び回っている。これまでのコンサルティング企業数は延べ300社以上、研修の受講者数は15万人を超える。業界誌にも複数連載し、ナンバー1社員研修講師と評判が高い。